長坂蛾庭

2016年1月1日

シイノキコナジラミの寄生蜂 ハラビロクロバチ科Amitus 属の一種

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, コナジラミ, ハチ目, — Hepota2 @ 00:00

あけましておめでとうございます。
今年は少し暇ができそうなので、またコナジラミについて調べて行きたいと思っています。よろしくお願いします。

去年の5月金華山から採って来たシイノキコナジラミですが、パンパンに膨れていまにも羽化しそうなのがいたので小さなケースに分けて入れておきました。しばらく観察していて変化が無くそのまま忘れていたのですが、年末に調べてみると蛹殻に穴があいておりました。寄生蜂が出たようです。※画像をクリックすると拡大画像が表示されます。

ケース内を注意して探すと小さな寄生蜂の死骸が2匹見つかりました。虫を飼育されている方は寄生蜂が出てくるとガッカリされるかもしれませんが、コナジラミの成虫はどれも似たり寄ったりなので、むしろ蜂が出てきた方がうれしかったりします。

この2匹は触角の先が異なっていました。運良く♂と♀が得られたようです。

こちらは触角の先端がこん棒状になっているのでたぶん♀です。針金のように見えるのは、直径0.15mmの微針で、ハチの体長は約0.68mmです。

下は触角の先端が太くなっていないのでたぶん♂です。体長は約0.61mm。

コナジラミにつく寄生蜂の検索表がEvansのサイトにあったのですが、現在アクセスできません。そのため詳しく調べてませんが、2013年9月22日の記事に登場したAmitus属によく似ているので、この仲間だろうと思います。
追記: テキストはここで見れましたが画像は見れないようです。とりあえずAmitus属は大丈夫そう。
さらに追記: INTERNET ARCHIVE の wayback machineというサイトで見れました。こちら

下のサイトにはAmitus属として22種あげられています。Imagesを押すと画像が見れますし、種名をクリックすると記載された文献に関する情報も得られるようですが、これ以上は調べてません。
Platygastroidea

今回撮影に使用したのはこのシステムです。被写体を置くスペースが狭くかなり使いづらいですが、あまり金と暇をかけたくないのでしばらくこれでいきます。背景はガラスにしてみました。真っ黒になるかと思いきや、なぜだかいい感じのグレーになりました。深度合成ソフトはConbineZPですが、あまりうまくいってないので有料ソフトを試してみようかと思います。

それではまた。

2015年4月13日

ヨモギのコナジラミの寄生蜂(続き)

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, コナジラミ, ハチ目, — Hepota2 @ 21:21

昨日の続きです。

オーストラリアのサイトで検索してみましたところ、不明な形質もありましたが、先を見ながら進んでいくと、Encarsia luteaという種にたどり着きました。かなり近い感じです。

NHMにも情報がありました。Distributionを見ると日本も含まれています。オンシツコナジラミから記録があるようです。
Associatesタブのprimary hostは寄主だと思うのですが、多数のコナジラミとともにヤガ科の蛾が3種類ほど載っています。どうも卵に寄生するようです。

ヨモギのコナジラミから出てきた寄生蜂 (Encarsia ?lutea)

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, コナジラミ, ハチ目, — Hepota2 @ 00:41

去年採集したヨモギのコナジラミBemisiella artemisiaeに寄生されているっぽいのがいたのでケースに入れておいたらいつのまにか羽化してひからびていました。

生態写真を撮ってみましたが…

ひどく大変な上に奇麗に撮れそうにないので、スライド標本にしてしらべました。

Evansのサイトにコナジラミにつく寄生蜂の検索表があります。

触角と翅脈から3へ。

跗節はわかりにくいですがたぶん5節あるので12へ。

とりあえず触角だけ見て13->14->15へ。

刺毛が少ないので、Encarsia属に落ちました(たぶんな)。

腹部の前よりに2本の黒い帯があるようなので、なにかわかりそうな気もしますが…

オーストラリアのEncarsia属の検索表というのがありました。明日また調べてみます。

続きはこちら

2015年3月20日

Aleiodes属のマミーの写真が複数載った文献

カテゴリー: 1.自然観察, 8. 文献, チョウ目, ハチ目, — Hepota2 @ 17:00

ツイッターにも書きましたが、表題のような文献を発見したので報告しておきます。

Shaw, Scott R. (2006) Aleiodes Wasps of Eastern Forests: A Guide to Parasitoids and Associated Mummified Caterpillars. PDF

Aleiodes属はコマユバチ科に属し、鱗翅目の幼虫に寄生してマミーを作る性質があるようです。以前報告したカモドキバチモドキも含まれています。カモドキバチモドキはRogas属から移動されたかも?

記事はアメリカ東部で見られる種に限られていますが、観察眼を養う意味で見ておくと良いかもしれません。日本で見られる種としてマイマイガに寄生するブランコクロカモドキバチ A. lymantriaeが載ってます。

2014年12月6日

マダラカエデコナジラミから出てきた寄生蜂 Encarsia sp.

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, コナジラミ, ハチ目, — Hepota2 @ 08:45

11月にオオモミジと思われる葉っぱからマダラカエデコナジラミを多数採種しました。その中に寄生されてるっぽいのがいたのでケースに入れておいたら、これまで見たのとは違うのが出てたのでとりあえずアップしておきます。

寄生されていたコナジラミと出てきたハチです。同じ倍率で撮影したものを合成しましたが、穴の方がちっちゃいですね。

体長は0.7mmぐらいです。

Encarsia属かもしれませんが、この写真では判断できそうにないです。

—2014年12月7日追記—
yamaさまより情報をいただきましてEncarsia nipponicaに似ているということです。たしかにそっくりなので、この種か近縁の種ではないかと思います。
NHM

Wikipediaによりますと、Encarsia属は400種以上記載されていて、実際にはその数倍の種がいるだろうといったことが書かれています。ホストであるコナジラミ等が研究されないと、寄生蜂の研究もできないでしょうから、研究はほとんど進んでいないのでしょう。解明される日は来るのでしょうか?

とりあえず、まったく研究されていないという現状について、細々と情報発信を行っていきたいと思います。

2014年3月6日

蛾を狩る蜂

カテゴリー: 1.自然観察, チョウ目, ハチ目, — Hepota2 @ 22:03

ずいぶん昔に撮影した写真です。
ホームページにも載せていたのですが、蜂が好きの掲示板に問い合わせてある程度所属が判明したので再掲します。


2007年8月1日、東京都稲城市、体長約8.1mm。

蜂が好きの管理人さんによれば、クビワギングチ (Lestica collaris)の可能性が高いということです。

当時は蛾の生態写真を主に撮影しておりまして、このガを撮影しようとしてカメラを構えていました。すると、このハチが飛んできて蛾の周りをフラフラ飛びはじめました。『じゃまだなぁ』と思っていたら、突然蛾に襲いかかりました。「えっ?」と思い興奮しながら何枚かシャッターを切って、そのうち一枚だけピントが合ったのが撮れました。
あれから、同じようなシーンには出会ってません。

—2014年3月10日—
クビワギングチの原記載を見つけたので追記しておきます。
松村松年 (1912) 『続日本千虫図解』 巻之4 p.174-175, 第53図.
国会図書館の近代デジタルライブラリーでも見れますが、BHLの方が使いやすくて早くて奇麗です。
テキスト

ezo-aphidさんからコメントがありまして調べましたが狩蜂生態図鑑p.129のクビワギングチバチは別種っぽいですね。どこに報告すればよいのかな。
→とりあえず、蜂が好きの掲示板にコメントしておきました。

—2014年3月14日ー
誤同定の件はezo-ahpidさんが出版社に連絡してくれたそうです。

2013年9月22日

エゴノキコナジラミと寄生蜂

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, コナジラミ, ハチ目, — Hepota2 @ 00:23

少し前に被リンクのチェックをしていたところ、石黒樹木医事務所さんの日記から、うちのサイトへのリンクが張られているのを発見しました。そのページにはキンメツゲ(イヌツゲの園芸品種)にエゴノキコナジラミらしきものが大量についているという情報が載っています。エゴノキコナジラミのホストはエゴノキしか記録がなく、気になったので、日記を書かれた石黒さんに「検体欲しい」というメールを送ってみたところ、快諾を得まして、先日送っていただきました。石黒さまありがとうございます。

で、調べてみたんですが…

下がその蛹殻の写真です。

■エゴノキコナジラミ Rhachisphora styraci Takahashi, 1934

どうみてもエゴノキコナジラミです。検鏡してみましたが、間違いなさそうです。

下の中央の個体は寄生蜂が脱出した後のようです。よく見る脱出痕とは違う感じです。

標本を作るために検体を枝からいくつかはがしてみると、高い確率で寄生されていることがわかりました。下は一匹取り出してみたところですが、同じ蛹殻に全部で3匹はいってました。

で、この寄生蜂をコナジラミと同じような方法で標本にしてみました。KOHには常温で数分浸けただけです。多分死んで長時間経過しており、中身は無くなっていたように思います。

小さいのと大きいのがいて、♂と♀だろうと思います。♀は2個体いたので背面と腹面を上にしたつもりだったんですが、両方とも腹面が上になってしまいました。

♂。

Amitus sp. ♂

♀。

Amitus sp. ♀

コナジラミの寄生蜂はあまり種類が多くなく、そららを順番に調べていくと、ハラビロクロバチ科のAmitus属というそっくりなのを見つけました。

♂の触角は10節、♀の触角も10節だが先端の3節が融合して8節に見える。ということで触角はあってそうです。

跗節はすべて5節。1枚目の前脚はちょっと醜いですが、顕微鏡では確認しました。

♂の背面です。頭部とか中胸のシワシワ模様が、上でリンクしたAmitus属のものによく似ています。

♀の顔。

エゴノキコナジラミの天敵について調べてみたところ、文献には何も書かれていませんでしたので、ホストのみならず、この天敵も初記録だろうと思います。だれも研究していないんでしょうか。

さて、なぜこのように大発生するものが見逃されてきたのでしょうか?

想像ですが…
通常は寄生蜂によって発生は強く押さえられており、そのため稀にしか見ることができず、本来複数の植物につくのにこれまで発見されなかった。今回は天敵の蜂が近くにいない状況であって、大発生した。たまに大発生することもあったが、一般の人はカイガラムシかなにかだと思ってどこにも報告されなかった。
といったところですかね。

こんな状況で盆栽とか輸出して、とんでもないことが起きなきゃ良いのですが。

追記:
Evansのサイトにコナジラミにつく寄生蜂の検索表がありました。
こちら
Amitusで大丈夫そうです。

2013年6月26日

森の観察めぐり—2013 第1回(ハチ編)

カテゴリー: 1.自然観察, ハチ目, 八ヶ岳自然観察の会, — Hepota2 @ 02:15

ハバチの幼虫をいくつか見ました。

とても同定できそうにありませんが、載せておきます。


植物はよくわかりませんでした。


これも植物がよくわかりません。
幼虫の方はルリコンボウハバチ?の中齢に似ています。


植物はリョウブかと思ったのですが、調べてみるとなんだか違いますね。
幼虫の方は、イボタにつく黄緑色っぽいのに似てます。

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