長坂蛾庭

2019年3月8日

イタビカズラの虫えい

カテゴリー: 1.自然観察, ダニ, フシダニえい, , 虫えい — Hepota2 @ 18:20

静岡県の小笠山で見つけました。

イタビカズラに顕著な虫えいがありました。

帰って調べてみると虫えい図鑑にも載っていないようだったので、虫えい掲示板に投稿してみましたところ、湯川先生から未記録であるという解答をいただきました。

イタビカズラの不明コナジラミ目的で4月20日に再訪したときに、虫えいのサンプルも採集してきました。中を調べるとフシダニがいましたので、フシダニえいのようです。

このダニもいましたが、こちらは捕食者かもしれません。

サンプルは北海道の研究者の方に送付したのですが、保管方法が悪かったのと時間が経過していたためか、捕食性のダニによって全滅していたようです。すみません。

次の機会に、もう一度チャレンジしてみたいと思います。

2018年10月30日

イタヤカエデハツノフシ

カテゴリー: 1.自然観察, ダニ, フシダニえい, 植物, , 虫えい — Hepota2 @ 22:00

茅ヶ岳の麓で見つけました。イタヤカエデのゴールです。

イタヤカエデハツノフシで良さそうです。
フシダニの一種によって形成されるとか。

採集してきたので、中を見てみました。

動いているのが見えたので、生物顕微鏡で見てみました。単に水で封入しただけです。0.1mmぐらいしかなくてむちゃくちゃ大変でした。

フシダニは細長い体型で4本の脚を持っているそうなので、それっぽいかな。

2018年10月29日

ケヤマウコギのトガリキジラミ(その1)

関連記事: その2その3

3週間ぐらい前になりますが、

飯盛山の麓でキジラミが羽化しているのを見つけました。

羽化の様子をGIFアニメーションにしてみました。現地で手持ちで撮影したのですが、20分ほど掛かって大変でした。

よく調べるとウコギのような樹木の実にゴールができていてました。

樹木はウコギに似ていますが少し違うようです。実の付き方からケヤマウコギのようです。ウコギと違って雌雄同株で雌花の脇に雄花がつくようです。

葉っぱです。

枝のトゲです。

枝にもゴールがありました。

羽化した成虫の捕獲には失敗したのですが、これらのゴールをビニール袋に入れて持ち帰ったところ2匹ほど羽化していました。矢印の翅脈はウコギトガリキジラミとはまったく異なっています。

ゴールを1週間ほどおいておいたのですが割れる気配がなくカビが出始めていたので、カッターナイフでカットしてみました。ほとんどが寄生されていましたが、寄生されていなかったものは次々と羽化しだしました。

寄生されていた幼虫です。ピクリとも動かず、少し茶色っぽくなっています。

たぶん寄生されていない幼虫です。動きます。

羽化後少し時間が経過した成虫です。

羽化した成虫とエタノール漬けの幼虫を農研機構の井上広光さんに送って調べてもらい、以下のようなコメントをいただきました。日本未記録種ですがとくに秘密にしなくてもよいという確認を得ましたので、引用しておきます。

成虫はすべて雌でしたが、交尾器が極端に短くはなく、先端がとがることからも、BactericeraではなくTriozaであることが確認できました。
また、幼虫も前翅芽の肩部が前方に張り出さないことからも、Triozaであることがわかります。

極東ロシアから記載され、昨年韓国からも記録された Trioza stackelbergi Loginova, 1967 の可能性が高いです。
プレパラート標本にするなどしてもう少し詳しく見てみますが、今のところ差異が見つかりませんので、本種ということで落ち着くと思います。
日本で見つかるのはこれが初めてです。
和名は「ケヤマウコギトガリキジラミ」としておきましょう。

既知のホストはEleutherococcus (=Acanthopanax) sessiliflorusで、この植物は日本には分布しないのですが、インターネットで画像を調べてみますと、ケヤマウコギに非常に近縁のようです(どちらもヤマウコギ節Cephalopanax;紛らわしいことにヤマウコギはウコギ節Acanthopanax)。

比較的近いうちに正式な報告が出るようですので、出たら追記します。

2018年10月28日

アブラチャンハベリマキフシ

カテゴリー: 1.自然観察, タマバエえい, 植物, 虫えい — Hepota2 @ 22:00

アブラチャンの葉のゴール。

ネットで調べてアブラチャンハベリマキフシで良さそうです。タマバエの一種によって作られるとか。

いちおうゴールを採ってきたのですが出るかどうか。

2018年10月16日

ノコンギクメウロコフシ

カテゴリー: 1.自然観察, タマバエえい, 植物, 虫えい — Hepota2 @ 22:00

これも一月遅れで書いてます。

飯盛山に行ってきました。
この時期に行ったのは初めてかもしれません。

下ったところでノギクに少し大きな蕾のようなものがついているのを見つけました。
ノギクの蕾にしてはやけに大きいので、ひょっとして虫えいかと思い写真を撮ってきました。

ツイッターに投稿したところやはり虫えいのようなので、虫えい同好会掲示板に投稿したところ、虫えいに間違いないという回答を得られました。そして虫えいの和名というものは虫えいを識別するためのもので、形成者によらず名付けられ、この形のものは植物の名前+メウロコフシと呼ばれるそうです。

そこで植物の名前を調べるため、1週間ほど後でもう一度行って、詳しく調べてきました。

難しいのですが、こちらのサイトを参考にすると、冠毛が長く、この形の葉っぱで、葉の表面がざらつくのはノコンギクとして良さそうです。

ということで虫えいの和名はノコンギクメウロコフシとしておきます。

いくつか採ってきたのですが、羽化させるのは難しそうな気がします。

形はアーティチョークの蕾に少し似ていますね。虫えいというのは不定形なものという印象を持っていましたが、このように整った形のものもあるのですね。

2018年5月19日

クロウメモドキトガリキジラミ Trichochermes grandis Loginova, 1965

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, キジラミえい, , 虫えい — Hepota2 @ 01:23

4月の終わりに、クロウメモドキのゴール内にキジラミの幼虫を見つけました。
以降継続して観察して成虫が出たので以下にまとめます。

4月28日、不明な樹木を発見しました。調べてみるとクロウメモドキのようです。

葉の縁を折りたたんだようなゴールがあります。

中を覗いていみるとキジラミの幼虫がいました。

5月4日: あんまり変わってませんでした。黄色っぽい方です。緑色のは別種です。

5月10日: 外を歩いていた幼虫です。スジボソヤマキチョウの幼虫がかなりないきおいで葉を食べていたので、追い出されたのかもしれません。

5月17日: 成虫が出てましたので成虫とゴールのついた枝を持ち帰って中を調べていたところ、中にいた幼虫が歩き出し、その後少し眼を離したすきに羽化を開始してました。

5月18日: これは採ってきた成虫の方で1日以上経過した状態です。

■ クロウメモドキトガリキジラミ Trichochermes grandis Loginova, 1965

日本から記録されているクロウメモドキにつくトガリキジラミは、クロウメモドキトガリキジラミだけで特徴もあうので、その可能性が高いと思います。ただ、かなり珍しい種のようであまり調べられていない気がします。厳密には詳しく調べたほうが良いのでしょうね。
とりあえず。

Miyatake1971には斑紋にかなり変異があるように書かれているのでご注意ください。今のところ(3個体)全面が茶色いパターンのみ発生してます。

― 参考文献 ―
Miyatake Y. 1971 – Notes on Psyllidae from Sado Island, Niigata Prefecture (Hemiptera : Homoptera).
. Bulletin of the Osaka Museum of Natural History 24: 5-14. PDF

Psyl’list

2018年5月2日

カバハマキヒラタアブラムシ Hamamelistes betulinus

今年の2月下旬、シラカバで妙なものを見つけました。

アブラムシっぽいのですが…
しばらく観察してみることにしました。

3月27日: かなり膨れてきました。

4月3日: 子供が生まれてました。

4月19日: 葉っぱにゴールが出来ています。裏では第一世代が子供を産んでました。

アブラムシ入門図鑑で調べると、カバハマキヒラタアブラムシ Hamamelistes betulinus (de Horváth, 1896) というのが見つかりました。

日本で記録があるHamamelistes属は3種です。文献[2]によると、H. miyabei マンサクイガフシアブラムシ の二次寄主は Betula maximowicziana ウダイカンバでありゴールの形も違うようです。もう一種の H. kagamii マンサクイボフシアブラムシの二次寄主は Betula grossa ミズメということなので、Betula platyphylla シラカバにつくのはカバハマキヒラタアブラムシとしておいて大丈夫そうです。

アブラムシ入門図鑑によると本種の生活環はかなり特殊なようです。

本種の生活環は特殊で2年で完了する。1年目は一次寄主のマンサクで幹母がサンゴ状の虫こぶをつくり、初夏から秋までをその中で過ごす。第二世代はすべて有翅型で二次寄主のシラカンバへ移住する。一年目の冬はシラカンバの枝上で、コナジラミ型の固着性幼虫が越冬する。2年目の春にその固着性幼虫から継承された世代がシラカンバの葉にコブを作る。晩秋には有翅胎生雌がマンサクに戻り有性世代を生む。これらが交尾後、2年目の冬を卵で越冬する。また二次寄主間を移動する有翅虫もいて、その場合はコナジラミ型の固着性幼虫で越冬しマンサクには依存しない。

― 参考文献 ―
[1] 松本嘉幸 (2008) 「アブラムシ入門図鑑」 全国農村教育協会
[2] Aoki, von Dohlen & Kurosu. (2001) Revision of the Japanese Species of the Aphid Genus Hamamelistes (Hemiptera, Aphididae, Hormaphidinae) Based on the Mitochondrial DNA Sequence Data. Entomological Science. 4(1):59-67. PDF
[3] Aphid species file
[4] Influential Points
[5] 宮崎昌久他 (2016) 日本昆虫目録 第4巻 準新翅類 pp. 99-100

2017年6月15日

クマヤナギトガリキジラミ Trioza berchemiae

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, キジラミえい, , 虫えい — Hepota2 @ 00:44

少し前の5月27日、クマヤナギの葉っぱにクマヤナギハフクロフシというゴールを見つけました。クマヤナギトガリキジラミの幼虫が作るゴールです。

中をみるとまだ若齢っぽい幼虫がいました。

それからしばらくたった昨日(6月14日)に行ってみたらちょうど成虫が出ていました。テネラルっぽいので、これから色は変わっていくかもしれません。

トガリキジラミ科で前翅の後縁に褐色の帯があるのはクマヤナギトガリキジラミだけのようなので間違いなさそうです。

ゴールは薄いヘラ状で裏から出入りできるようです。そのためか幼虫の体も薄っぺらい作りになっています。

学名はPsyl’listで確認してみると Trioza berchemiae Shinji, 1938 から変更ないみたいです。

【参考】

■宮武頼夫・松本浩一・井上広光(2014)キジラミ類(カメムシ目)の絵解き検索.環境アセスメント動物調査手法, 24: 15-59.

林 成多・宮武頼夫(2012)山陰地方のキジラミ図鑑.ホシザキグリーン財団研究報告特別号, (6): 1-97.

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