長坂蛾庭

2018年5月2日

カバハマキヒラタアブラムシ Hamamelistes betulinus

カテゴリー: 1.自然観察, アブラムシ, カメムシ目, — Hepota2 @ 01:14

今年の2月下旬、シラカバで妙なものを見つけました。

アブラムシっぽいのですが…
しばらく観察してみることにしました。

3月27日: かなり膨れてきました。

4月3日: 子供が生まれてました。

4月19日: 葉っぱにゴールが出来ています。裏では第一世代が子供を産んでました。

アブラムシ入門図鑑で調べると、カバハマキヒラタアブラムシ Hamamelistes betulinus (de Horváth, 1896) というのが見つかりました。

日本で記録があるHamamelistes属は3種です。文献[2]によると、H. miyabei マンサクイガフシアブラムシ の二次寄主は Betula maximowicziana ウダイカンバでありゴールの形も違うようです。もう一種の H. kagamii マンサクイボフシアブラムシの二次寄主は Betula grossa ミズメということなので、Betula platyphylla シラカバにつくのはカバハマキヒラタアブラムシとしておいて大丈夫そうです。

アブラムシ入門図鑑によると本種の生活環はかなり特殊なようです。

本種の生活環は特殊で2年で完了する。1年目は一次寄主のマンサクで幹母がサンゴ状の虫こぶをつくり、初夏から秋までをその中で過ごす。第二世代はすべて有翅型で二次寄主のシラカンバへ移住する。一年目の冬はシラカンバの枝上で、コナジラミ型の固着性幼虫が越冬する。2年目の春にその固着性幼虫から継承された世代がシラカンバの葉にコブを作る。晩秋には有翅胎生雌がマンサクに戻り有性世代を生む。これらが交尾後、2年目の冬を卵で越冬する。また二次寄主間を移動する有翅虫もいて、その場合はコナジラミ型の固着性幼虫で越冬しマンサクには依存しない。

― 参考文献 ―
[1] 松本嘉幸 (2008) 「アブラムシ入門図鑑」 全国農村教育協会
[2] Aoki, von Dohlen & Kurosu. (2001) Revision of the Japanese Species of the Aphid Genus Hamamelistes (Hemiptera, Aphididae, Hormaphidinae) Based on the Mitochondrial DNA Sequence Data. Entomological Science. 4(1):59-67. PDF
[3] Aphid species file
[4] Influential Points
[5] 宮崎昌久他 (2016) 日本昆虫目録 第4巻 準新翅類 pp. 99-100

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