長坂蛾庭

アオギリチビガ Bucculatrix firmianella

今月の始め、アオギリの葉の上で小さな幼虫を見つけました。このように無防備なミクロ蛾は知らなかったので採ってきていたのですが、数日前に1匹羽化しました。アオギリチビガのようです。

幼虫です。6月1日撮影しました。

アオギリの葉です。マインが複数ありますが、小さいうちは葉に潜り、大きくなったら葉から出てくるらしいです。

チビガは脱皮繭を作るらしいです。脱皮繭というのは初めて聞いたのですが、下がそうだと思います。2枚目は分解してみたところで、2つ折りになっていました。

繭です。羽化したのとは別のもので、少し萎縮しています。分解してみると蛹の中は空でしたので、なにか失敗したのでしょう。このような舟底形をした繭はケヤキの樹皮上でよく見ていましたが、チビガ特有のものらしいです。

6月16日に羽化した成虫です。大きさは前翅長約3mmです。

■アオギリチビガ Bucculatrix firmianella

羽化した後の繭です。

ー参考文献ー
まだ本文は見れませんが、下の文献の日本語の要約が詳しくて参考になります。みんな蛾にはチビガ科には5種しか登録されていませんが、23種に増えているようです。ケヤキでよく見られる舟底形の繭はきっとケヤキチビガじゃないかと思います。
日本産チビガ科の分類学的再検討
2017年2月18日追記: かなり前からオープンアクセスになってます。


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コメント

“アオギリチビガ Bucculatrix firmianella” への2件のフィードバック

  1. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    そらさんには迷惑になりそうなのでこちらへ来ました。
    まず、「Forewing w{th obljque streaks; with obscure streaks」の区別に困ります。明瞭な斜線、ぼんやりした条線、の違いが区別できません。斜線が明瞭、不明瞭と言われても、標本の状態や個体変異によっては微妙になるでしょうし。基本パターンの図があって、それと同様に読み取れれば明瞭、読みとれなければ不明瞭、などというのならいいのですが。
    もっと困るのは色の概念です、しかも横文字では・・・・、ムズカシイです。「ocherous or brown orange patches;
    ocherous-brown to dark brown patches」の違いって現物を見て初めて判るのではないかと。該当種をひととおり見て、言葉の概念を理解するしかないでしょうね。
    そうした経験値を持っていないチビガ科どシロートの私にとっては「斑紋による検索表だけではムリ」ということです。

  2. Hepota2のアバター
    Hepota2

    ezo-aphidさん、コメントありがとうございます。
    ひょっとして文献の写真が実はカラーで見やすければ何かわかるかと思ったのですが無理でしたか。
    寄主から種を判別するのも無理そうですし、やはり交尾器を見て調べるしかないのでしょうね。どなたかにお願いしたいです。

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