2013年10月31日追記:検鏡してサカキコナジラミと判断しました。
昔撮影してよくわからなかったサカキコナジラミですが、文献が揃ったので調べなおしてみました。
写真集に載せたのと同じものですが、トリミングだけして縮小していないものを、再掲しておきます。クリックすると大きくなります。
成虫の複眼ができているので、蛹だと思います。サカキの葉裏につきます。大きさは、約1.7×1.5mmです。
サカキに関しては、Kuwana 1911は情報が少ないですしなんだかアヤシイので、Quaintance&Baker 1917の方を見ることにします。
これによると、体節間の線が目立たない、背面がつぶつぶ?の模様で覆われている等の記述があるように思います。
Pupa case —
Size 1.52 by 1.28mm.; …
dorsum slightly rounded, with the sutures not very distinct;…
The dorsal disk is granular, …
サカキコナジラミモドキは、Takahashi 1935によると、体節がはっきりしており、中胸と後胸の間が直線で目立つようなことが書かれていると思います。
(Pupa case) …
Mid.thoracic suture reaching the margin;
suture between the meso-and metanota eminent, straight;
abdomial segments distinct;
rhachis absent. …
Pupa case-about 1.77mm. long, about 1.55 mm. wide,
さて、これだけで判断すると、私が見たのはどうみてもサカキです。大きさが少し違いますが。
そして上宮&園部2006のサカキの写真はどうみてもモドキの方です。
古い図鑑(保育社の原色日本昆虫図鑑だと思う)にも、サカキが葉の上面につくと書かれています。
どこかで間違いが入ったような気がします…
—参考文献—
[1] Kuwana, I. 1911. The whiteflies of Japan. Pomona College Journal of Entomology. 3: 620-627.
BHLで見れます。本文のページへリンクしておきますが、図が一つ前のページにあります。
サカキコナジラミ (Aleyrodes tokyonis)
[2] Quaintance, A. L. and A. C. Baker. 1917. A contribution to our knowledge of the whiteflies of the sub-family Aleurodicinae (Aleyrodidae). Proceedings of the U. S. National Museum. 51: 335-445.
INTERNET ARCHIVEで見れます。PDFもダウンロードできますすが、重いので古いパソコンでは難しいかもしれません。
本文と図の各ページへのリンクです。
サカキコナジラミ DIALEURODES (RUSOSTIGMA) TOKYONIS (Kuwana)
サカキコナジラミの図
[3] Takahashi, R. 1935. Aleyrodidae of Formosa, Part IV. Report. Department of Agriculture. Government Research Institute. Formosa. 66: 48-50.
[4] 上宮 健吉・園部 力雄 (2006) 皇居,赤坂御用地と常盤松御用邸のコナジラミ科昆虫(半翅目,腹吻亜目). 国立科学博物館専報 43, 358 CiNii
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