長坂蛾庭

ワサビクダアザミウマ Liothrips wasabiae

アブラチャンの虫えいの横にいたアザミウマです。同じ木で3個体ほど見つけたのですが、他のアブラチャンでは見つかっていないので関係なかったかもしれません。

ドイツのUlitzkaさんにサンプルを送って見ていただいたところ、Liothrips wasabiaeの♂ということでした。ただ本種は通常ワサビにおり、近くにワサビが無いか確認してほしいと言われてます。ワサビが育つ環境だとは思うのですが、まだ確認してません。

ネットで見れる写真とは雰囲気が違ってますが、性差でしょうか?

ワサビクダアザミウマは1967年に島根県で発見され、その後周辺の県に分布を広げたようです。しばらくは島根県周辺でしか見つかっていなかったのですが、最近静岡県からも記録されたようです。

Wikipediaによるとワサビの歴史は飛鳥時代からと書かれているので、突然島根県周辺に発生したのは奇妙です。日本でしか記録がないので外来種でもなさそうです。

考えられそうなのは…
(1) もともと別の未知の環境で天敵とバランスしていたのだが、ワサビにつく能力を得て、天敵のいない環境で急激に増えた。
(2) もともとワサビにいて天敵とバランスして数が抑えられていて気づかれなかったのだが、農薬の発達によって天敵だけが減り、アザミウマが増えて存在がバレた。

とりあえず周辺でワサビかアブラナ科の植物が生えていないがチェックしてみようと思います。

参考:
[1] 島根県 農業技術情報
[2] A new distribution record of Liothrips wasabiae Haga & Okajima (Thysanoptera, Phlaeothripidae) from Chubu district, Japan


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コメント

“ワサビクダアザミウマ Liothrips wasabiae” への2件のフィードバック

  1. 時鳥庵 庵主のアバター
    時鳥庵 庵主

    しばらくこのHPを覗いていませんでした。この画像からの印象ですが、ワサビクダアザミウマにしては頭部が細長い気がします。別種の可能性はありませんか?
    HP時鳥庵は今ちょっと休止中ですが、別にThysanoptera of Japanというページを立ち上げ、アザミウマの生体画像はそちらをご覧ください。現在日本産200種あまりの生体画像を撮影しましたが、少しずつあげていく予定です。

  2. Hepota2のアバター
    Hepota2

    更新が不定期になってしまってすみません。
    この種はドイツの Dr. Manfred R. Ulitzka 氏にサンプルを送って同定してもらいました。プレパラート標本を作成されたようなので連絡すれば写真を見せてもらえるかもしれません。交渉してみましょうか?
    Thysanoptera of Japan参考にさせていただきます。ありがとうございます。

コメント内に挿入してもらっていた『takoyaki』は不要になりました。

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