長坂蛾庭

ヤマグルマコナジラミ Aleuroclava trochodendri Takahashi, 1957

ヤマグルマという樹木にヤマグルマコナジラミというのが付くというのはかなり前から知っていたのですが、ヤマグルマはなぜか南方系だと思い込んでいました。ところが去年そうでないことを知り自生地をネットで探していたのですが、身延方面にある篠井山が一番近そうだということで、機会を伺っておりましたが、本日マンをジして行ってまいりました。

何本か登山道はあるらしいのですが、一般的なのは奥山温泉側から登るルートだけのようです。駐車場は標高700mほどで、そこから1,300mあたりまでは植林地帯で、自然観察目的としてはあまり面白みはありません。上の方は広葉樹が生えているのですが、葉っぱに手が届くのはアセビやミヤマシキミばっかりで(たぶん鹿さんの影響)で、やはり自然観察目的としては面白みはありません。

だめかなぁーと思いつつ、山頂一帯の広葉樹林を双眼鏡を見ながら歩いていると1本それらしき木を見つけました。やや急な斜面にあったので(危険というほどでもない)、イヤイヤ見に行ったのですが当たりでした。葉っぱも手の届くところに何枚かあって、めくっているといました!


ヤマグルマコナジラミ Aleuroclava trochodendri Takahashi, 1957

標本を作って見てみましたが、間違いなさそうです。

久しぶりに登った700mは少し大変でしたが、成果が得られてよかったです。


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“ヤマグルマコナジラミ Aleuroclava trochodendri Takahashi, 1957” への30件のフィードバック

  1. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    これは大変だったですねー。ネット情報で自生地を探り当て、初見の場所でめざすムシを得られたのは素晴らしいです。公園や植物園の植生を頼りにムシ採り行くのですが、管理地の樹木は高木でかつ下枝が切り払われ、葉には手が届きません(例:宇大の駐車場で、双眼鏡で見つけて悔し涙)。車が無いと自然林には近づけないし・・・・・・。takoyaki
     ところで、コナジラミに ”寄生植物の好み” はあるのでしょうか? 植物の分類群を超えた寄生があるように感じています。「植物種ごとのコナジラミ種」表はネットで見ましたが、コナジラミ種ごとの一覧表はあるのでしょうか?
    食植生昆虫では「植物分類を越えた寄生性をもつ種は稀」と考えたいのです。
    アブラムシでは多食性という区分にしてますが(実は分化中か)。

      

  2. Hepota2のアバター
    Hepota2

    これはうれしかったですね。
    えっ、北海道に住んでいて車が無いのですか?
    コナジラミの種ごとのホストは、コナジラミ写真集のそれぞれの種のページにに載せてあります。ぜんぜん更新してないのですが。
    コナジラミの寄主植物の好みは良くわからないです。単食性と思われる種もいますし、目レベルで違うホストに付く種も多いです。厳密にはDNAを調べてみないとわからないと思いますが。

  3. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    「コナジラミ写真集」にアクセスしたら、セキュリティソフトの警告を受けてしまい、見られませんでした。代わりにMartin et. al. (2000)、Bull. Ent. Res. 90:407-448.を見たところ、Host plantが数属で示されるものは少なく、polyphagousとか several familiesというような調子で、寄主範囲には関心が低いように感じました(既往の記録を信頼できないのかも?)takoyaki

     田舎暮らしにマイカーは必須です。アブラムシは林縁や開放地近辺で、植生が豊かであれば多くの種は採れます。管理不足の公園とか、田舎の墓地周辺、河畔林や草原など。ただし、年次変動があるので、数年毎にサーベイが必要と感じます。寒冷地に定着してない種がいたり、地元種でも個体群が消滅する例も良くあります。飛翔力が弱いので風に乗りやすく、風だまりに集まるair-planktonと言っていいかもしれません。見つけどりが最大の難点ですねー。

  4. Hepota2のアバター
    Hepota2

    アクセスエラーになるのはSSL設定をさぼっていたせいかもしれません。設定したのでご確認いただければ幸いです。

    いまのところ単一の種からしか見つかっていないコナジラミもいます(例えばイタヤカエデのコナジラミやヤマグルマコナジラミ等)。これは見つかっていないだけの可能性がありますが。同属の複数の植物から見つかるものもいます(マダラカエデコナジラミ、クロエゴノキコナジラミ、ナツツバキのコナジラミ等)。これは厳密にはDNAを調べる必要があると思います。さらに目レベルで違う植物に付く種もあります。例えばイヌツゲクビレコナジラミはこんな感じです。

    (APG体系)
    モチノキ目
      モチノキ科
       イヌツゲ
       ソヨゴ
    ツツジ目
     ツツジ科
      アセビ
     モッコク科
      ヒサカキ

    DNAを調べなくても、盆栽(ポット栽培)を使ってもできるかもしれません。やろうと思ってなかなか手がつけられてません。

  5. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    有難うございます。労作ですねー。とても読み切れませんが、興味深く拝見しました。国内の分布状況を種ごとに載せておくと、空白地に採集協力者が生まれるかも(ほぼ死体なので郵送も簡単)。takoyaki

    Acanthobemisia dystilii の新種記述に出てくるK. Satoさんは、当時、植物防疫所に勤務していた佐藤 覚という人でしょう。高橋良一さんも横浜植防(調査課?)にいて、カイガラムシ・コナジラミ・アブラムシの同定依頼に応えていたようです。この方は、Kurisakia ailanthi Takahashi をシンジュAilanthusからの採集品として、高橋さんに送付しました(私はサワグルミを誤同定した、と邪推してます)。・・・・イスノキを間違えることはないでしょうが。

  6. Hepota2のアバター
    Hepota2

    見ていただきありがとうございます。いろいろ修正しようと思ってそのままになってます。国内分布についてもそのうちやりたいです。

    シンジュって葉っぱが匂うので普通は間違えない気もするのですが、過去の記載にそういうミスが多いとすればちょっと面倒ですね。コナジラミの場合、検鏡せずにホストが記録されている場合があるようで、コナジラミ側の同定ミスによりホストが間違っていることもありそうです。

  7. Hepota2のアバター
    Hepota2

    連絡事項です。アンチスパムの設定を行ったので、コメント内に挿入してもらっていた『takoyaki』は不要になりました。

  8. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    「原色日本林業樹木図鑑」倉田 悟(1978頃、全5巻)で樹木の分布図を見ようと、図書館へ行ってきました。ヤマグルマは鳥モチの材料で、その樹皮を剥がし採るのはイワタケ(地衣類)を採るのと同じくらい危険だ、という記述。分布のドットは、県境などの山稜付近に散在していますが、身延方面の篠井山あたりも等高線が込みあってますね(本州は雨量のせいか沢の傾斜がきつい)。
    世界で数個の標本となれば、手元において見たい物。体力のあるうちに行かなくちゃ、です。
     調べてみると、40年以上昔に塩原温泉の「木の葉化石園」付近でヤマグルマのアブラムシを得ていました。移植だったのか、苦労せずに採集したようで、採集位置も体色も全く想い出せず・・・・。(人間って忘れるんだー)

  9. Hepota2のアバター
    Hepota2

    そんないいものがあるんですね。山梨県立図書館に収蔵されているようなので、今度見てきます。
    ヤマグルマは、武川の古民家(観光スポットになってる)にも植えられているのですが、葉っぱに手が届かなくて調べられてません。あと富士山の近くの竜ヶ岳でも何株か発見して、そこではヤマグルマコナジラミとヤマグルマグンバイを採集してます。アブラムシはまだ見つけられてません。
    私もいろいろとやばいです。早いとこ放置してる物件を片づけないと。

  10. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

     少し古いので、変遷もあるでしょうが、目星をつけるのに便利です。ただし、属ごとに纏めて載せていません。たとえば、Acer属27種とPrunus属14種は1-5巻に散在、ツツジ属14種は3-5巻に載っています。目的植物の登載巻と頁を探すのに不便なので、目次をコピーしてきて「属ごとに纏めた目次」に作り直してあります。
     ハナヒョウタンボクを探してみたところ、岩手北部と長野東部に分布のようです。「長野県植物誌」(1997)に分布図は無く、軽井沢町など3市町村の一部にのみに記録、山地に稀、とありました。草本の分布図があると嬉しいのですが、植生は環境変化に弱く、遷移が早いためか、「神奈川県植物分布図集」(1999)は上手く使えず(無いよりましかな)。

  11. Hepota2のアバター
    Hepota2

     情報ありがとうございます。ズイナクロコナジラミをなんとかゲットしたいです。
     ハナヒョウタンボクは軽井沢町植物園に行ったときにたくさん見ました。駐車場、園内と近くの自然公園みたいなところです。神奈川県の場合は、神奈川県植物誌2018が公開されてるのでそれを見てます。 https://flora-kanagawa2.sakura.ne.jp/efloraofkanagawa.html

  12. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    神奈川県植物誌 2018は立派ですねー。伊勢原市の日向薬師の少し先で、ジャケツイバラの古木を見たことを想い出しました。調べてみると、ミカントゲコナジラミがCaesalpina属から採れているんですね。「応動昆55(3):155-161.上杉龍士ら(2011)」

    ズイナの自生地なんて見当もつかないので、タイプ産地の「高野山 ズイナ」で検索してみたら「紀州里域植物方言集」(梅木信哉、2002)という本に出会いました。ズイナの方言を出典ごとに分けて4737-4775に記述してます。出典の中には「みちばたの草と虫(上)」という本も。和歌山県の里山では、沢沿いや林縁に珍しくなかったらしい。

  13. Hepota2のアバター
    Hepota2

    山梨県植物誌もあったらいいのにと思って調べてみたらありました。あまり期待しない方がよさそうですが、近所の図書館にありますし一度見に行ってみます。ヤマグルマ載ってるかな。

    ミカントゲコナジラミの寄主範囲はけっこう広そうです。

    いろんな本があるのですね。一度だけ紀州にズイナを探しに行ったことがあるのですが、見つけられませんでした。杉多すぎ。

  14. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    「大台ケ原、ズイナ」がずっと気になっています。試しに、検索してみると「自然再生推進計画」という報告書(調査8回分の一覧表)がありました。
    1956年8月に、高橋・宗林さんは大台ケ原でズイナ・ヤマグルマからコナジラミ3種、ツタからアブラムシ1種を採集し、新種として報告しました。
    「推進計画」の一覧表では、8回の調査の内、ズイナは2回のみ、ヤマグルマは4回、ツタではなんと0回です。高橋さんがツタと報告したのは、実はイワガラミ(4回の報告)と判っています。当時は良い参考書を見られなかったのだと思います。
    ズイナの開花期は初夏ということなので、背丈と葉の形で判定したのかも。
    高橋さんは、秋に開花期を持つシソ科でも、属を間違えたかもしれません。

     Hepotaさんは、ズイナにこだわらず探索されているので、その方が良いと思います。降雨量の多い奈良県山地にいることは間違いないので、そこらの灌木類(とりあえずは、旧ユキノシタ科あたり)を探せば出会えるかも、と思っています。
     

  15. Hepota2のアバター
    Hepota2

    ズイナは9月ごろ実が熟すらしいので、高橋博士が若い実を見てさえいれば、あってると思うのですがどうでしょうね。落ち葉で越冬するコナジラミは葉を落とす前に終齢になるので、その時期がいちばん見つけやすいです。10月の半ば以降かな。そしてウグイスカグラやナツツバキのAleurolobusのようにワックスを大量に出していると予想してます。

  16. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    高橋さんは1898年生まれ。札幌の高校を卒業後、国立林業試験場で2夏を過ごし、1920年から1940年ころまで台湾総督府農事試験場で半翅類を研究、のちラックカイガラムシの台湾導入に係わり、クアラルンプール博物館勤務などを経て、終戦の年に東京へ帰還。土木工事の日雇い人夫、米軍水耕農場の害虫係・シェラック工業・資源科学研究所・横浜植物防疫所を経て、1954年に浪速農業短大(10年後?に大阪府大)勤務、1963年退職後7月に没。
     コナジラミの標本は九州大学農学部昆虫学教室へ寄贈。(現在は、九州大学博物館に移動されたと思います)

     日本産半翅目の報文を書き始めたのは、宗林正人さんと出会った昭和29年以降ですね。札幌近郊、台湾や東南アジアの植物は見ていたものの、本州の植物は経験が無かったはずです。頼りになるはずの「牧野植物図鑑」は高価で、素人には使い難かったでしょう。保育社の図鑑の出版は、木本編が1971年・1979年、草本編の(合弁花)は1957年、(離弁花)1961年です。
    浪速農業短大の図書館に蔵書があったかどうか。サラリーマンの生活費に余裕が出始めたのは、1969年(昭和44年)以降だったように思います。
    *保育社の蛾類図鑑(昭和33・34年発行)は上・下巻ともに1,500円でした。 

  17. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    しょーもないことを書いてスミマセン。高橋さんの経歴と論文を「Mushi 37(17):
    167-190.」を見ていて、気になったことを追加してみます。
     1942年9月末に陸軍司政官、12月15日 Kuala Lumpur博物館館長、1945年9月戦争犯罪者収容所、1946年2月14日に日本に戻り、台湾総督府農業部を勅令退職(公職追放令?)。同年12月22日に米軍第8水耕農場(調布市)技術顧問、1948年9月末に依願退職。翌日から大阪Shellac工業(株)・技術顧問、および(財)資源科学研究所昆虫部門に在籍、1952年3月末日依願退職、5月16日から横浜植物防疫所特約研究員、1954年2月末に依願退職。3月1日より浪速大学。
     1946年1月の公職追放令に「F項:占領地の行政長官」があり、当時の南方地域の陸軍司政官18,465人、海軍司政官7,689人が該当したはずです。1952年4月の公職追放廃止令をもって、晴れて農水省・文部省下の機関に就職できたようです。

     陸軍の司政官というものは、研究所の虫屋がやれるものか、不思議です。軍主導の行政官なんて、虫好きには何をすべきか想像できない職でしょう。
    1942年9月から45年8月まで、彼は陸軍司政官・博物館長として何処で何をしてたのか? これは、1949年~1955年のコナジラミ・カイガラムシの報文にある採集データから推測できるかも。Madagascarのコナジラミ3報文の採集者は誰か? 帰朝して1男4女と苦しい生活の中、南方から持ち帰った乾燥個体を検鏡標本にして投稿したものか。 

    参考文献: 陶家駒(1966) 「 悼・・・・高橋良一博士」植物保護学会会刊 第六巻 第二期 : 105-106。 

  18. Hepota2のアバター
    Hepota2

    やはり戦後は苦労されたのでしょうね。現代はいろいろと恵まれています。そのかわり研究費は少なくなっているのかもしれませんが。

    私は現場での植物の同定には、草本はあきらめて、図鑑『樹木の葉』を持ち歩いてます。かなり分かりやすい図鑑ですがそれでもよくわからない場合も多いです。そんな時はデジカメで写真を撮って家に帰ってから調べたり、掲示板で聞いてみたり。

    古い研究でホストが間違っていたりすると厄介ですね。

  19. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    アブラムシの(繁殖できる)寄主植物は限定的なことが多く、寄主範囲は植物の属単位と考えています(もちろん多食性や、1種だけという例もありますが)。採集歴の長い欧州では(同定違いもあったりで?)Eastop(1977)のように緩く解釈して、科を超えて繁殖する例は稀という認識のようです。
     アブラムシの日本産目録(2016)には数多くの不明種が残されており、それらが実在種なのか判っていません。特に多いのが進士織平さんの記載種で、彼もまた16歳~33歳まで米国に留学(小学校から農業高校、農科大学・修士でアブラムシの生理学、短大文学部、カイガラムシの胚子発生で博士号)していました。帰朝して4年間ほど旧制中学で英語(と生物?)を担当したようですが、宮崎県都城、中条村(現・長野市)、埼玉県川越など、日本産植物の同定には適切な参考書と経験不足のために困ったことでしょう。新種記載の報告に、虫の和名と種名、寄主植物名に食い違いがあって、植物の同定に揺らぎがあったのが見て取れます(これらは校正もれだったのでしょうが)。
     いずれにしろ、後進は先達の記録を頼りに探索せねば、不明種は解決できません。先輩たちの研究環境(特に植物の同定)は、我々の時代とは違っているという認識も必要と感じます。 [ Host plant : Anemone ?、20.X.1957 ]という新種報告の情報で、私は何を目標に探せば良いのでしょう。

     植物の場合、地域植物相の解明が進み、花の構造から進んで、葉や冬芽の形による判別法があったりして参考になりますね。地元にある樹なら追跡調査で確認できますが、草本では遷移や突然消失があって安心できません。特に遠征中や常緑樹など、見慣れない植物は採集を敬遠したくなります。
     アブラムシの場合、寄生植物の属まで判明すれば探索には困らないだろう、という意識で記録しています。といっても、Akkaia属のアブラムシに、Polygonum(=Persicaria)属のミゾソバ P. thunbergii にしか見られない例もあるのですが。

     コナジラミの場合、寄主範囲 Host rangeがアブラムシと全く違うのが不思議に思っています。少数の寄主植物が、全く別の科に所属しているのは何故(本来多食性の種であって、採集例が偏っているのか?) 多食性のように見える種は、系統をどのように維持できるのか? これは分化途中の種群なのか? 
    固着寄生のため、寄主を間違えた子孫が分化しただけ? うーん、判らん。 

     
     
     

  20. Hepota2のアバター
    Hepota2

    コナジラミの食性は不可解ですね。単食性と思われる種もいますし、特定の属の複数の種に付くもの、さらに複数の科に渡って付くものがいます。複数の科に渡って付くものは、それぞれの科の中で好みがあるようで、とても奇妙です。コナジラミやホストの種の同定を誤っているケースや、調査が足りないケースももちろんあると思いますが、それだけでは無さそうに思います。

    イヌツゲクビレコナジラミとヒサカキコナジラミの冬のホストにはいくつか共通種があります(夏に落葉樹に移動することがあるようなので夏のホストは除いて考えます)。モチノキ科のイヌツゲやソヨゴ、ツツジ科のアセビ、モッコク科のヒサカキ。ここに、なにかヒントはあるでしょうか? 常緑樹か落葉樹か、葉がツルツルか毛が生えているかは重要そうです。産卵時期にアブラムシが少ないというのも重要かもしれません。アブラムシがいると、蟻とか大食系の天敵とかを呼び寄せてしまいますから巻き添えを食いそうです。

    DNAを調べたり、飼育して調べると何かわかるかもしれませんが大変そうです。

  21. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

     なるほど、晩秋の蛹は夏の寄主よりも少ない特定の植物で越冬して、翌春の系統維持に貢献するということですね(飛翔範囲が狭いであろう雄雌成虫の交尾機会を確保できるので)。なんだか、移住性アブラムシの寄主転換に似ているような。 ・・・コナジラミには性フェロモンがあるのでしょうか?

    キジラミ成虫の越冬場所は針葉樹だと言われるのは、本当なんでしょうかね。
    うろ覚えで、どこまで確認されたか、どんな意味があるのか判りません。

     移住性アブラムシの場合は、夏寄主から移住する際に妥当な冬寄主を選んで卵を産みつけ、かつ幹母幼虫が冬寄主で育たねばならぬ、という2重のハードルがあります。多くの場合、簡単に冬寄主が増えそうにありません。
    ただし、ワタアブラムシAphis gossypiiのように、形態が酷似しつつ多くの科に渡る冬寄主を持つ”ヌエ”のような”種”もいます。たぶん、分化途中のcomplex(複合種)だろうと思いますが、証明は簡単ではない筈です。Aphis属はざっと500種ほど知られていて、それらの区別は主に形態でなされます。しかし、1属500種の形態比較なんて、誰ができるでしょう。結局、B&E (2006)が作ったKeyは寄生植物ごとで、形態だけでは無理でした(比較形質が足りない)。
    生体色やwax分布、寄生部位・寄主の異常(ゴール、変色)など、生態的要素も加えないと(これでも不足ですが)。

     一部のアブラムシが、寄主を厳しく選択・適応して増殖力を優先したのに対し(当然、天敵の捕食圧が高まるので何らかの対抗策が必要)、多くのコナジラミは(天敵による捕食への対策は捨てて)分散してほそぼそ生き残るという戦略を選んだ、ということでしょうか。

    大コロニーを作りがちのアブラムシの場合、「甘露(排泄物)の処理、天敵からの逃避行動、寄生蜂の産卵妨害」のために、いくつかの対応が見られます。甘露はハナアブ成虫の生存期間(産卵数)に有益なので、遠ざける必要があります。アリは糖分を目当てに持ち去ってくれます(ただし、襲われることあり)。それを嫌がるアブラムシでは、長い尾片に乗せて弾き飛ばしています。茎上のコロニー列が、突然一斉に脚を振って驚かせる例もあります。角状管から速乾性の粘着物を出して、寄生蜂の触角などに付着させて産卵を妨害します。同時に、警報フェロモンを放出して、近接する(主に)成虫を落下避難させます。当然、これらの装備にもコストは掛かるはずです。

     天敵対に対抗できる武器を持たない(と思われる)コナジラミは、散在寄生することで、天敵昆虫の捕食効率が悪く、摂食効率も悪い(平たい形は捕食しにくい? キチン部が多く内容物が少ない!)ことで、とりあえず大型天敵の出現は抑止できてるのでしょう。

    アブラムシのDNA判別で判ってきたことは、種の判別には使えない形質がある(らしい)ことのようです。今のところ、オオアブラムシ亜科Lachninaeのごく一部ですが。移住することで形態差が出たり、冬寄主で形態が酷似する別種がいるなどの例です。
     

  22. Hepota2のアバター
    Hepota2

    コナジラミの寄主範囲についてはまだ詳しいことはわかってません。特に落葉樹で越冬する種は夏の個体の数がとても少ないのです。それと夏は形態が少し違っていることがあるようです。例えば、落葉樹で越冬するAleurolobusは初夏に白い個体が普通現れるようです。色以外にも違っていることがあって、イタヤカエデのAleurochitonはかなり形態の違う夏型があるようです。解明はかなりやっかいな作業になりそうです。

    コナジラミの性フェロモンについては良く知りませんが、密度が低い種については何かしらあるのかもしれません。

    キジラミが針葉樹で越冬するというのはときどき耳にしますね。ですが1月にイヌツゲで越冬するキジラミを見たことがあり、ちょっと疑ってます。単に針葉樹の方が多くてビーディングしやすいとかかもしれません。

    コナジラミも高密度で増える種がいて、なぜナミテントウとかヒラタアブとかが来ないのか不思議ですが、グンバイムシとかもあんまり襲われている印象がないですよね。他になにか要因があるのでしょうか? アブラムシが出す甘露にわざわざ天敵を呼び寄せる物質が含まれているとか。

    DNAでもわからないとなるとやっかいですね。そうなると飼育はかなり効果的かもしれません。寄主転換するとなると難しいですが。庭にいくつかコナジラミが付く木が大きくなってきたので、ぼちぼち調べてみたいです。

  23. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    何か総説っぽいものが無いか「Aleyrodidae female」で検索してみました。
    Elsevierの出版物らしい「Encyclopedia of Insects. ( 2nd ed.)」(2009)の抜粋で、Gullan & Martin の解説がありました。ざっとの拾い読みでは、
    「オンシツコナジラミのような多化性は少なく、一般には年1化か2化性。蛹の季節的2型は温帯性の種に見られる。交尾前の雌雄に、求愛行動のようなものが見られるので性フェロモンはあるかもしれない。受精卵は雌、未受精卵は雄となるが、雌のみ単性生殖の種もいる。幼虫期に排出する甘露は、vasiform orificeから弾き飛ばしている。・・・・・」
    アブラムシの雄は、同時期の有翅雌に比べて、触角の感覚板の数がやたら多いです。卵生雌の後脛節には偽感覚板という性フェロモン発生器があります。 

     Danzigが、「コナジラミは湿っぽい所に多く生息する」とか言ってるし、ここでも「中南米や pan-tropical 、温帯域に見られる」の記述から見て、熱帯雨林や温帯モンスーン地域がホームグラウンドなんでしょう。

  24. Hepota2のアバター
    Hepota2

    ほとんどの種が年1化か2化というのは、私もそんな気がしてます。おそらく長期間休眠していて、我々が見つけるのは確率的に休眠状態の時が多いのではないかと思います。

    南方系なのはそうなのでしょう。高橋博士が戦前にまとめられた台湾のコナジラミには140種ぐらい掲載されていて日本の倍くらいいます。面積は狭いのに。

  25. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    TV映像でトマトのタバココナジラミ防除法を見ました。配偶行動時の雄の腹部振動を妨害する振動を与えて、増殖率を下げるとのこと。
    「コナジラミ 交尾信号」で検索してみると、上宮健吉さんの植物防疫 52(1):17-22.の報文(1998)を見つけました。配偶行動時の雄の腹部振動は、日本産種の7属13種に種特異的なグラフ(オシログラム)によって認められ、分類のキーになりうると判断しています。遺伝子的調査などから、従来、タバコ コナジラミ Bemisia tabaciの別系統とされていたシルバーリーフ コナジラミ は、この腹部振動グラフから B. argentifolii という別種とされたようです。微細ながら形態的な違いは認められています。
     
    ただし、この振動グラフは、羽化雌雄を特定の設備に置いて測定しないと得られないので、その後の日本産種の解明割合は不明です。野生植物の少発種や、稀種・新種ではその成虫を採集することも困難でしょう。「いつ、どこの植物で蛹が採れるのか」という情報がどうしても必要ですね。振動グラフと、注目すべき判別形質がつながれば、形態分類に有益なのですが。
     上宮さんも「コナジラミ類は、アブラムシ・カイガラムシ類と比べて寄主特異性が低い」という認識を「おわりに」で書いています。配偶行動時の交尾信号は、この謎を解くキーとしたかったのだと思います。

  26. Hepota2のアバター
    Hepota2

    サイエンスZEROは録画しようと思っていたのですがいつのまにか寝てしまいました。先ほどNHK+で視聴しました。
    食べるワクチンは面白そうですね。なんとか輸出産業になって欲しいと思います。

    コナジラミを振動で防除するという話しはツイッターによく流れてきていたので存在は知ってました。まだまだ使える気がしないかなぁ。

    上宮先生が音を使ってコナジラミの同定を行う研究をされているのは、話しだけは知ってました。機材が最大の問題ですかねぇ。他はコンパクトに育てたホストはなんとかなるとして、成虫も比較的まとまって見られる種の場合なんとかなるかもしれません。常緑樹で羽化する種の場合、春の羽化時期直前に葉っぱを取ってくると比較的簡単に成虫を得ることができます。落葉樹で越冬する種の場合、ビニール袋に入れっぱなしで部屋に置いておいたら羽化してきたことが2回ぐらいありました。冬の間ビニール袋に入れたまま冷蔵庫で保管し、4月ごろ部屋に出すと羽化してくるかもしれません。これについてはそのうち試してみたいと思います。安定して得られるなら、機材を持っている研究者に羽化前のサンプルを送ることで協力できるかもしれません。

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    ezo-aphid

    虫屋の楽しみは、自分の眼で見て種を(ある程度)判別できることですよね。特定の道具を使わねば同定できないというのは、究極の必要性(重要植物の大害虫で生態にばらつきがあるとか、系統図を作りたいとか)の場面で充分かな、と思います。
     その材料を得るにも、特定モルフのソーテイング作業は必要なので、形態学的な特徴は欠かせません。どういう形が所属の判別に重要なのか、という検討は(便利なツールなので)もっと続ける必要があると思います。

     また聞きのうろ覚えですが、ホソガ科の系統図をDNAで作成したところ、従来の成虫分類に「幼虫の形態・生態」を加えた分類群が、うまく適合している、との話があります。過渡期の評価なのですが、特定モルフの形だけではなく、生態的な特徴を加えることも分類に意味がありそう、というのは嬉しいことと受け止めています。
     その意味でも、新種発見の際には「追加標本を得られる情報」が欲しいとつくづく思います。(アブラムシでは生育植物の属ま違いが最悪かな)。

    コナジラミ成虫の触角には、アブラムシとは比較にならないほど高密度の感覚(口・板)がある例を見ました。これは雌雄で違いはありますか?  あるいは寄主植物の少ない種に多いでしょうか? それともこれが標準?

  28. Hepota2のアバター
    Hepota2

    生態的な特徴の解明が進むと未記録種や未記載種の発見にも繋がり、そうなると分類学滴にも解明が加速しそうです。アマチュアにとっても同定の手がかりになってうれしいですし、虫屋人口の増加に繋がるかもしれません。

    コナジラミの成虫に関しては不勉強でなにもわかりません。スミマセン。コナジラミの成虫はあまり形態差が無いと言われてますが、それは本当なのか、また翅に斑紋を持つものもいるので、もう少し調べるべきですね。精進します。

  29. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

     科を越えた植物群で幼虫が生育できる昆虫は、どのようにその系統(taxa)を維持しているのか、不思議でたまりません。偶発寄生は、進化のうえでありうるのですが、それが安定的でないと種として成立しないはず。
     幼虫の生育植物が違えば、そこから羽化した同種の雌雄が出会う機会は大幅に減るはずです。なんらかの手立てが無いと出会えません(ハエ類や小蛾類の雄群swarming(蚊柱)、コウモリガ雄の交尾前飛翔)。
     雌雄が存在する種で、異種間の交尾を阻害する要因(交尾器の形、フェロモン、配偶時の行動様式、・・・が異なる等)は判るのですが、その逆は気にしてこなかったようです。

     キク科植物に普通のハムシ 、Galeruca属の幼虫をトリカブトで見かけて、これは新種に違いないと、ハムシ屋の先輩にご報告したら「それは食性の可塑性(=?柔軟性)によるもの」と一蹴されました。偶発寄生を起こすような不安定な系統は、種としては継続しえない、と評価されたようです。
     アザミオオハムシの食草として、保育社図鑑ではキク科の他にギボウシHostaも載っているので、幼虫の植生範囲は広いのかもしれません。

  30. Hepota2のアバター
    Hepota2

    希薄に分布する種の場合は雄と雌が出会う可能性が低く、ホストが複数の場合も状況は変わらないように思います。やはり雄は雌を見つける何か特別な能力とかがあるのではないでしょうか?

    実は別種という可能性もあるのかもしれませんが、調べるのは難しそうです。

コメント内に挿入してもらっていた『takoyaki』は不要になりました。

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