長坂蛾庭

イチゴハトゲアブラムシ Matsumuraja rubifoliae Takahashi, 1931

5月12日に、リョウブ(Clethra barbinervis)の葉裏で、大きなアブラムシを見つけました。幹母のようです。

Matsumuraja rubifoliae Takahashi, 1931 幹母

5月23日、有翅虫が出現していました。

Matsumuraja rubifoliae Takahashi, 1931 有翅虫

日本原色アブラムシ図鑑の有翅虫の写真と良く似ていますし、ホストも一致するので、イチゴハトゲアブラムシで間違いなさそうです。一次寄主はリョウブ、二次寄主はキイチゴ類だそうです。

和名は日本昆虫目録に合わせました。アブラムシ入門図鑑では、イチゴハマツムラアブラムシとなっています。

学名も日本昆虫目録に合わせました。記載年が1922になっている場合があるようなのですが、なにかご存知でしたら教えてください。

2025年2月4日追記

ezo-aphidさんからご教示いただきました。学名の記載年については、1931年で間違いないようです。

教えていただいた触角の節を図にしました。先端の第6節は途中で太さが変わっていて、基部と末端部と呼ばれているそうです。そして胎生雌と幹母ではこの比が顕著に異なるそうです。


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コメント

“イチゴハトゲアブラムシ Matsumuraja rubifoliae Takahashi, 1931” への2件のフィードバック

  1. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    学名の件:台湾産のrubifoliaeに、M. rubi Takahashi,1922と命名した。その後、日本産rubi Matsumura,1918という先名権に気づいて、1931年にrubifoliae Takahasiと新たに命名したもの。ちなみに幹母の寄主と形は、大阪・兵庫の標本を元にTakahasi(1959)が初めての報告をしました。この姿には驚いたはず。

    幹母の翅:翅の有無はグループによって違うとの事です(Hille Ris Lambers, 1966)。基本的に、無翅虫が現れる群では幹母も無翅。逆に、無翅虫が現れない群では幹母は有翅。ただし、アジアのGreeidea ではほとんどが有翅。Symydobius oblongusでは無翅・短翅・有翅.。・・・だそうです。

    幹母の形:簡単に言うと、無翅幼虫の形で、大型。体の丸みが強め、触角・脚・角状管が短めです。特に触角末端節の基部と先端部の比が顕著です。
     この種の拡大写真を測定してみると(体長:触角3-6節:後脛節:角状管) (第6節基部:先端部)は、幹母が(125 : 53 : 37 : 18 ) (7 : 9)、有翅雌が( 120 : 103 : 60 : 21 ) ( 8 : 39) となりました。体長との比、基部との比は、幹母(0.4、0.3、0.15)(1.3)、有翅雌(0.9、0.5、0.2)(4.9)となりました。全般に幹母の方が低い比率で、特に触角末端節で顕著です。

     たぶん触角末端節の「基部と先端部」が判りにくいと思います。 
    幹母の方は、第3・4・5節それぞれの末端部が黒く、第6節では基部の先1/2と、やや細い先端部の2/3が、黒化しています。有翅虫では全体に黒くて、節の区分は不明瞭です。拡大図の右触角で、第3-6節を105として57の位置の「くびれ」から先が第6節です。その「くびれ」から8までが基部、その先の細長い部分が末端部(Processus terminalis)と呼んでいます。

  2. Hepota2のアバター
    Hepota2

    ezo-aphidさま、ご教示ありがとうございます。

    触角の節を示した図を本文中に追加しておきました。今後、幹母を見分けられるようになった気がします。

コメント内に挿入してもらっていた『takoyaki』は不要になりました。

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