ヤマグルマという樹木にヤマグルマコナジラミというのが付くというのはかなり前から知っていたのですが、ヤマグルマはなぜか南方系だと思い込んでいました。ところが去年そうでないことを知り自生地をネットで探していたのですが、身延方面にある篠井山が一番近そうだということで、機会を伺っておりましたが、本日マンをジして行ってまいりました。
何本か登山道はあるらしいのですが、一般的なのは奥山温泉側から登るルートだけのようです。駐車場は標高700mほどで、そこから1,300mあたりまでは植林地帯で、自然観察目的としてはあまり面白みはありません。上の方は広葉樹が生えているのですが、葉っぱに手が届くのはアセビやミヤマシキミばっかりで(たぶん鹿さんの影響)で、やはり自然観察目的としては面白みはありません。
だめかなぁーと思いつつ、山頂一帯の広葉樹林を双眼鏡を見ながら歩いていると1本それらしき木を見つけました。やや急な斜面にあったので(危険というほどでもない)、イヤイヤ見に行ったのですが当たりでした。葉っぱも手の届くところに何枚かあって、めくっているといました!




ヤマグルマコナジラミ Aleuroclava trochodendri Takahashi, 1957
標本を作って見てみましたが、間違いなさそうです。

久しぶりに登った700mは少し大変でしたが、成果が得られてよかったです。
清里の公園にナツツバキが植えられていて、例のワックスを大量に分泌するAleurolobus sp.が生息しているのですが…
こいつですね。

同じ公園にナツツバキと同属のヒメシャラも植えられていて、その葉におそらく同種と思われるコナジラミがついていました。ワックスの出方が不十分でしたがまだ途中なのではと思っています。


簡単に検鏡してみましたが、おそらく同種だろうと思います。
もう一度行ってワックスが同じように出るのか確かめてこようと思ってます。
先月の3月8日にイタビカズラでコナジラミの若齢っぽいのを見つけました。
そろそろ終齢になっているかなと思い、再びプチ遠征してきました。
良いタイミングだったようで、終齢っぽいのがいました。

検鏡してみました。イチジクコナジラミでなんとなく良さそうです。


■ イチジクコナジラミ Apobemisia kuwanai (Takahashi, 1934)
高橋1934と高橋1954にはホストは Ficus sp. となっているのですが、日本産コナジラミ総目録ではイタビカズラが記載されてます。ソースがわからないので、もしご存知であれば教えてください。
つざさんから報告がありました。特徴的な模様を持つコナジラミの幼虫です。サンプルを送っていただいたので検鏡してみました。
処理前の写真です。

標本写真です。


胸部気管襞にツブツブ模様があるので、ミカンコナジラミと同じDialeurodes属だと思うのですが、そこから先は難しそうです。
とりあえず。
高尾山周辺です。
サカキの葉裏にサカキコナジラミらしきものがいましたが、中心部分が茶色いです。どれも同じようなので、模様のようです。
※ 一般的にサカキコナジラミは葉上につくとされていますが、たぶん間違いです。



スライド標本です。1枚目が今回の、2枚目がいつものやつです。サカキで良さそうです。


こういう褐色紋が入るのは、他でもときどき見られるように思います。本当に同種なのかどうかは詳しく調べたほうが良いのかもしれません。
とりあえず。
高尾山です。
ウラジロガシっぽい葉の裏に、アマミカシコナジラミっぽいのを見つけました。



スライド標本です。ちゃんと見てませんが、とりあえずそれっぽくはあります。



とりあえず。
コナジラミの若齢幼虫を定点観測による方法で調べてみました。
11月10日、手始めにイヌツゲのこいつから。

12月19日、変化なし。

1月16日、変化なし。

2月18日、変化なし。

3月14日、変化なし。写真は撮らなかった。
4月2日、4齢になってました。おめでとうございます。ヒサカキコナジラミですね。この2週間で一斉に4齢になったようです。


■ ヒサカキコナジラミ4齢幼虫
おしまい。
先日近所の公園で見つけました。

おそらくヤナギコナジラミだと思います。文献には葉裏につくと書かれていましたが、葉表で2個体、葉裏で2個体見つけました。
ホストは、タチヤナギだと思います。


これから増えそうな気がするので、定期的に観察してみようと思います。