アブラムシ入門図鑑のアブラチャンコブアブラムシが別種ではないかという件です。
以前アブラチャンで見つけたアブラチャンコブアブラムシと思しき方は、森津図鑑と一致していましたが、アブラムシ入門図鑑のものとは明らかに違っておりクロモジに付くとされていました。今回、茅ヶ岳周辺でクロモジに付く方を見つけることができましたので、両者の写真を並べてみたいと思います。
アブラチャンにつく方
5〜6月に撮影。角状管全体が黒い。
■おそらく アブラチャンコブアブラムシ Aulacorthum muradachi (Shinji, 1941) 森津図鑑に載っている方。
クロモジに付く方
6月に撮影。角状管の先端だけが黒い。
■ クロモジのアブラチャンコブアブラムシ。おそらく未記録種。アブラムシ入門図鑑に載っている方。
以前拙ブログ2013年10月27日でezo-aphidさんからコメントをいただき、アブラチャンに付くほうが真のアブラチャンコブアブラムシ L. muradachiで、クロモジに付く方はよくわからんという意見をいただきました。同様の意見をツイッターでもだいすけさんから いただきました。
現在、だいすけさんが研究中らしいので、いつか判明することを期待したいと思います。
なお、日本昆虫目録では和名が変更されていますので、ご注意ください。研究が不十分な状態で和名をコロコロ変えるのはますます混乱すると思うのですが…
アブラチャンコブアブラムシ → ムラダチヒゲナガアブラムシ
アオキコブアブラムシ → アオキヒゲナガアブラムシ
参考:
[1] Miyazaki, M. (1971) A REVISION OF THE TRIBE MACROSIPHINI OF JAPAN (HOMOPTERA : APHIDIDAE, APHIDINAE). INSECTA MATSUMURANA, 34, 1-247. PDF(HUSCAP)
[2] 松本嘉幸 (2008) 「アブラムシ入門図鑑」 全国農村教育協会
[3] 森津孫四郎 (1983) 「日本原色アブラムシ図鑑」 全国農村教育協会
[4] 宮崎昌久他 (2016) 日本昆虫目録 第4巻 準新翅類
コメントを残す