長坂蛾庭

コオノオオワタムシ Prociphilus (Stagona) konoi Hori, 1938

5月5日、ミヤマウグイスカグラで葉にゴールを作っているアブラムシを見つけました。

ホストとゴールからコオノオオワタムシの可能性がありそうです。ゴールの名前はウグイスカグラハマキフシ。

ツイッターに投稿したところ、だいすけさんからコメントをいただき、コオノオオワタムシの可能性が高そうとのことでした。幹母と有翅虫が得られると正確に同定できそうとのことでしたので、継続して探すことにします。

5月8日に再び訪れて、巻かれた葉の内側で一匹だけ雰囲気の違うのがいました。おそらく幹母でしょう。有翅虫はまだ出現していないようでした。

5月15日、有翅虫が出現していました。

だいすけさんにサンプルを送る予定なので、正確な同定結果が得られたら、追記したいと思います。

2020年11月17日追記:
だいすけさんに同定していただきました。コオノオオワタムシで間違いなさそうです。以下標本写真です。だいすけさんに転載許可をいただきました。触角のスジみたいなのが重要らしいです。

和名については、コウノオオワタムシとされている場合もあり、日本昆虫目録ではそうなってます。

原記載がネットで見れましたのでリンクしておきます。第2寄主は Picea glehnii エゾアカマツ (Picea Glehniとなっているがおそらくタイポ) の根だそうです。こちらにはエゾアカマツは分布していないようで、別の樹木だと思われます。周辺の樹木を調べてみますかね。

【参考文献、サイト】

Hori, M (1938). A Revision of the Species of the Tribe Pemphigini occurring in Hokkaido and Saghalien (Studies on Aphididae of the Northern Part of Japan, 1).
北海道病害虫防除所 ハスカップのコオノオオワタムシ(新寄主)


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コメント

“コオノオオワタムシ Prociphilus (Stagona) konoi Hori, 1938” への4件のフィードバック

  1. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    本種の和名および学名は、移住試験をして標本を寄贈した河野広道博士にちなんだものです。河野さんが執筆した「森の昆虫記 1」(1976)の101頁に、堀松次さんから「発見者の功績を記念するためにコオノオオワタムシProciphilus kônoi Hori という新種名をつけて発表したい、という返信を貰った」と記されています。Hori(1938)は全て英文なので和名はありません。彼自身の論文にも Hiromichi Kôno となっています。ふだんから「こーの」さんと呼ばれていたのでしょう。takoyaki

    「ハナヒョウタンボク 虫こぶ」で検索すると、koizumi-masatoさんのブログで軽井沢の発生事例が見られます。ただし、こちらは少数いたワタムシの方を代表させてしまったので、巻葉・赤斑を起こした犯人はNeohopalomyzusの近縁種は注目されませんでした。日本では稀種なので、機会があれば撮影されると幸いです。

  2. Hepota2のアバター
    Hepota2

    ezo-aphidさま、和名の由来についての情報ありがとうございます。

    koizumi-masatoさんのブログの件は、日本語が少しわからなかったのですが、巻葉・赤斑を起こした犯人が実はNeorhopalomyzusの近縁種(lonicericola?)で、そいつを見つけたら写真を撮っておいて欲しいと言うことでしたら、了解しました。ただ、ハナヒョウタンボクに付くのだとすると、近所では見たことが無く、難しいかもしれません。

  3. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    ご解読有難うございます。” 巻葉・赤斑を起こした犯人のNeohopalomyzus 近縁種は注目され・・・・ ”ですね。ハナヒョウタンボクと同じ節の、キンギンボクやイボタヒョウタンでは ”幸運なら” 見つかると思います。タジキスタンにはRhopalomyzusが6種いるそうで、日本もLonicera属の灌木が多い方なので、数種くらい居ても不思議ではありません。takoyaki
     灌木類とツタ類は、植林地では除去されやすいので、まず自然林を探すのが先でしょう。軽井沢の住宅地に隣接する林には、クマが近寄らないよう管理してるそうですが。こちらはヒグマが河畔林を伝って市街地へくるようになったので、近所での林地観察でも油断はできなくなりました。

  4. Hepota2のアバター
    Hepota2

    野辺山の方にイボタヒョウタンボクが沢山とキンギンボクが一株生えている公園があります。5年ほど前に週一ぐらいのペースでその場所に通ったことがありましたが、何も見つけられませんでした。
    ネット検索していると野辺山にもハナヒョウタンボクが生えていそうなので、気をつけてみますが、あまり期待しないでください。

コメント内に挿入してもらっていた『takoyaki』は不要になりました。

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