長坂蛾庭

2020年11月5日

ホソチャタテ科 Stenopsocus sp.

カテゴリー: 1.自然観察, チャタテムシ目, — Hepota2 @ 19:00

富士山外輪山の竜ケ岳で見つけたチャタテムシです。葉っぱをめくっていて見つけました。

縁紋とRs脈を結ぶ横脈と、後小室とM脈を結ぶ横脈があれるのでホソチャタテ科で良さそうです。

「日本産チャタテムシ目の目録と検索表」のホソチャタテ科の検索表を見てみましたが、縁紋の色のところで行き詰まってしまいました。日本昆虫目録を見ると、縁紋とRs脈が横脈でつながらない2種がホソチャタテ科から除かれ、Stenopsocus 属2種が追加されています。このうち S. lifashengi は S. pygmaeus スカシホソチャタテのシノニムと思われるとコメントされているので、残りは S. immaculatus になるのですが、ネットで検索したところ色がかなり違うようでした。翅脈は似ているのでとりあえず Stenopsocus 属の一種としておきます。

参考:
廊下のむし探検
富田康弘、芳賀和夫、「日本産チャタテムシ目の目録と検索表」、菅平研報12、35 (1991).
National Barkfly Recording Scheme (Britain and Ireland)

2020年10月21日

スカシホソチャタテ Stenopsocus pygmaeus Enderlein, 1906

カテゴリー: 1.自然観察, チャタテムシ目, — Hepota2 @ 16:00

清里方面で見つけました。美麗チャタテムシです。


■スカシホソチャタテ Stenopsocus pygmaeus Enderlein, 1906

ツイッターに投稿したところ、吉澤先生から種名をご教示いただきました。

ネットで検索してみたのですがあまり情報はなく、以下の検索表しか見つかりませんでした。

富田 康弘・芳賀 和夫 (1992) 日本産チャタテムシ目の目録と検索表 PDF

近似種はいなさそうですね。検索表では前翅長が4.0〜4.5mmとなっており合ってないようですが、今の撮影システムはExifから撮影倍率がわからないので、どこかで間違いがあったのかもしれません。ときどきピントリングが動いていることがあるのでそのせいかも。

分布は、北海道、本州、九州だそうです。

2018年11月4日

ナガケチャタテ Mepleres suzukii (Okamoto, 1910)

カテゴリー: 1.自然観察, チャタテムシ目, — Hepota2 @ 22:00

近所の公園で見つけました。

キヅタにいたチャタテムシです。

少し調べて、ニセケチャタテ科で、M脈が2つに分かれ、斑紋の濃いのはナガケチャタテとして良さそうです。ツイッターでも吉澤先生に確認していただきました。

調べている途中で不安に思ったのは、おちゃたてむしさんのブログにあるナガケチャタテの斑紋がちょっとおかしくて、APとM脈をつなぐ翅脈があるように見えるのです。これについても吉澤先生から翅脈異常の可能性があるとの意見をいただき、ややすっきりしました。

ただ翅脈異常がたまにあるとなると、同定が難しくなりますね。

【参考文献】
Yoshizawa, K (1996) Taxonomic Study on the Family Pseudocaeciliidae (Psocoptera: Psocomorpha) of Japan : 3. Genera Allocaecilius, Ophiodoperma and Pseudoscottiella

Yoshizawa, K (2000) Redescription of Mepleres suzukii (Okamoto), with Comments on Synonymy among Mepleres, Pseudoscottiella and Meniscopsocus (Psocodea : ‘Psocoptera’ : Pseudocaeciliidae)

2018年7月21日

チャタテムシ科 ムツテンチャタテ属の一種

カテゴリー: 1.自然観察, チャタテムシ目, — Hepota2 @ 07:20

先日、長野県富士見町原村に行ってきました。

カマツカにいたチャタテムシです。

ツイッターに投稿したところ、@psocodeaさまから

Trichadenotecnum (たぶん album)

とのコメントをいただきました。

Trichadenotecnum属(ムツテンチャタテ属)は日本から20種以上記録されていて、ほとんどは以下の文献で見ることができます。

Yoshizawa, K. 2001. Systematic revision of JapaneseTrichadenotecnum Enderlein (Psocodea: “Psocoptera”: Psocidae: Ptyctini), with redefinition and subdivision of the genus. Invertebrate Taxonomy 15: 159-204. (PDF)

Trichadenotecnumでググっても上の方には英語のサイトしか出てこなかったのですが、ムツテンチャタテでググるといつものサイトがでてきました。

ムツテンチャタテとムツモンチャタテは両方使われたことがあるそうです。

過去に同属と思われる種類を撮っていたので、ついでに載せておきます。これは去年の9月下旬に北杜市で撮影しました。

2017年4月22日

ニセケチャタテ科の一種

カテゴリー: 1.自然観察, チャタテムシ目, — Hepota2 @ 21:20

先日行った有度山で撮影しました。

樹種は忘れましたが、タブノキとかヤブニッケイだったように思います。その葉裏にチャタテムシがいました。ちょっと撮影に失敗しまして、わかりづらくてすみません。

ツイッターに投稿しましたところざっそう屋さんからナガケチャタテに似ているという情報をいただきました。

調べてみると確かにネット上の写真と似ていましたが、文献[4:670]を見てみると少し翅脈が違うようです。

翅脈が見難かったのでとりあえずトレースしてみました。

よくわからないのですがニセケチャタテ科だとします。文献[3:311]の検索表を見るとM脈が3本に別れておりRsはほとんど屈曲していないので、Phallocaecilius, Heterocaecilius, Pseudocaeciliusのどれかのようです。文献[1:707]にPseudocaecilius属が3種記載されていますが、翅脈が全然違うようです。また文献[2:5]に Heterocaecilius属とPseudocaecilius属が記載されていますが、こちらも翅脈が全然違ようです。

ということで今回も行き詰まりました。



【参考文献】
[1] Yoshizawa, Kazunori (1995) Taxonomic Study on the Family Pseudocaeciliidae (Psocoptera: Psocomorpha) of Japan : 1. Revision of the Genus Pseudocaecilius. Japanese journal of entomology, 63(4), 703-721. PDF(HUSCAP)

[2] Yoshizawa, Kazunori (1996) Taxonomic Study on the Family Pseudocaeciliidae (Psocoptera: Psocomorpha) of Japan : 2. Genera Heterocaecilius and Phallocaecilius. Japanese journal of entomology, 64(1), 3-16.
PDF(HUSCAP)

[3] Yoshizawa, Kazunori (1996) Taxonomic Study on the Family Pseudocaeciliidae (Psocoptera: Psocomorpha) of Japan : 3. Genera Allocaecilius, Ophiodoperma and Pseudoscottiella. Japanese journal of entomology, 64(2), 300-312. PDF(HUSCAP)

[4] Yoshizawa, Kazunori (2000) Redescription of Mepleres suzukii (Okamoto), with Comments on Synonymy among Mepleres, Pseudoscottiella and Meniscopsocus (Psocodea : ‘Psocoptera’ : Pseudocaeciliidae) Entomological science, 3(4), 669-674. PDF(HUSCAP)

2013年7月7日

チャタテムシの一種

カテゴリー: 1.自然観察, チャタテムシ目, 八ヶ岳薬用植物園, — Hepota2 @ 21:09

下界のみなさまこんばんは。今日は暑かったようですね。シッシッシッシ。

久しぶりに八ヶ岳薬用植物園に行ってきました。
見たい物は出てませんでした。というか虫が少ない?

メグスリノキにいたチャタテムシの一種です。体長約5mmと大きいです。まだあまり調べてませんがオオチャタテでしょうか?

以下追記

クロミャクチャタテとは翅脈が異なるので、オオチャタテで良いのかな。

下のサイトはクロミャクチャタテの間違いじゃないかなぁ。

虫ナビ のトップの画像とドームシェルターの明かりに飛来した本種①②

自然観察雑記帳

ishida式のホームページ

さらに追記

スジチャタテかその近縁種のようだ。

2012年11月7日

ホソチャタテ科の一種

カテゴリー: 1.自然観察, チャタテムシ目, — Hepota2 @ 16:46

同じく八ヶ岳横断歩道、標高1500mぐらいです。カエデはすべて葉を落としていました。
落ち葉をめくっていると、チャタテムシがいました。標高が高いので、珍しい種類がいるかもしれませんので、撮影してみました。


体長は約3.5mmです。

後翅の翅脈が重なってみにくいので、絵を描いてみました。

翅脈は、文献[1] 26ページの (V) Stenopsocus sp. に似ていますが、矢印1が違うようです。

—修正—
文献[2]を見ると、矢印[2]と[3]は、Stenopsocidae ホソチャタテ科の特徴のようなので、タイトルを修正しておきました。

—参考文献—
[1] YOSHIZAWA, Kazunori 2005. MORPHOLOGY OF PSOCOMORPHA (PSOCODEA: ‘PSOCOPTERA’). Insecta matsumurana. 62:1-44

[2] Yoshizawa, K. 2002. Phylogeny and higher classification of suborder Psocomorpha (Insecta: Psocodea: “Psocoptera”). Zoological Journal of the Linnean Society
136: 371-400.

2012年8月1日

?ウスベニチャタテの幼虫

カテゴリー: 1.自然観察, チャタテムシ目, — Hepota2 @ 20:33

同じく、谷戸城跡です。

サクラの葉裏に見たことの無いチャタテムシ類の幼虫がいました。

アップです。体長は約1.5mmです。

■?ウスベニチャタテの幼虫
○Canon PowerShot SX230 HS, Raynox MSN-102, x2デジタルテレコン, 最大倍率

少し検索してみましたが、わかりませんでした。

-2012年8月3日-
おちゃたてむしさんから情報をいただきまして、ウスベニチャタテに似ているということです。?付きで名前を出しておきました。ウスベニチャタテの1齢幼虫の記事が、おちゃたてむしさんのブログの2010年7月1日の記事にありますので、ご覧ください。

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