最近、『山陰地方のキジラミ図鑑』というのがネット上で公開されました。下のリンク先の右下の方にあるアイコンをクリックするとPDFが見れます。
林 成多・宮武頼夫(2012)山陰地方のキジラミ図鑑.ホシザキグリーン財団研究報告特別号, (6): 1-97.
さっそくこれまで不明だったものを調べてみました。
ウワミズザクラのキジラミはあってそうなので確定しておきました。
次に調べたものはこれです。
去年の4月に府中で撮影したもので、ユズリハにいたと記録されてますが、まったく覚えてません。
大きさは、翅端まで約3.5mmです。
図鑑には載ってませんでした…
翅脈が特徴的なのですが、翅脈が一致するものもありませんでした。
少し調べていたら、ホストから検索できるようなサイトがありました。
psyllids.org
ここで、ユズリハの属名Daphniphyllumを選択して検索すると、一種だけ表示されましたが、ぜんぜん違いました。
なかなか、簡単にはいきませんね。
ー2012年10月17日ー
翅脈のアップを追加しておきます。矢印のところが一点で分かれていないので、トガリキジラミではないと思ったのですが…。
このトガリキジラミは寄主植物からすでに分散したもので,ユズリハでたまたま吸汁していたものと思われます.撮影時期と背中に模様がみえないことなどから,カシトガリキジラミかシラカシトガリキジラミが相当する可能性があります.カシトガリは3月にアラカシ,シラカシトガリは4月にシラカシで羽化します.ぜひ寄主植物で羽化する個体を捉えてみてください.
コメント by はむし — 2012年10月17日 @ 11:10
はむしさん、コメントありがとうございます。
翅脈のアップを追加しておきましたが、トガリキジラミの特徴であるところが一点で分かれていないので、トガリキジラミでは無いと判断したのですが、この程度は許容範囲なんでしょうか?
撮影したあたりの公園にはアラカシはほとんど無くて、どちらかといえばシラカシの方だと思います。
現在、山梨県に移住しておりまして、植物相も昆虫相ずいぶん違うので見られるかどうか…
羽化直後の成虫を虫ナビさんが撮っておられますが、黄緑色ですね。
コメント by Hepota — 2012年10月17日 @ 17:56
翅脈の分岐,たしかにズレています.キジラミには翅脈の異常個体がわりとよく見つかりますので,その類かもしれません.トガリキジラミ科であることは間違いないと思います.
コナジラミも現在,勉強中ですが,模様のない種は難しいですね.まだ見つけたことのないコナジラミをいくつもきれいに撮影されていて,すばらしいです.コナジラミ師匠のM先生やK先生も喜ばれると思います.
コメント by はむし — 2012年10月17日 @ 21:32
幼虫の時から観察することと、複数個体を調べることが重要そうですね。
コナジラミを勉強中とは心強いです。
教材が必要なら送りますが?
先生方に喜んでいただけるとは嬉しいですね。私は、1年と半年前に初めてコナジラミの幼虫を見たという、まったくのシロウトなんですが、今までに30種類強を見つけることができました。どこにでもいる普通の虫なんでしょうね。デジカメとかインターネットのおかげも大きいと思います。知れば知るほど、昔の人はすごかったのだなぁと、感じています。
コメント by Hepota — 2012年10月18日 @ 00:50