長坂蛾庭

ニガキヒメキジラミ Calophya shinjii Sasaki, 1954

2017年6月5日、元記載が見れたので修正しました。
2017年6月5日、撮り直してきたので写真を追加しましたが、あまり良い写真は撮れませんでした。ニガキ自体が少なく、手の届く範囲に葉っぱが少なく、個体数も少ないのでかなり難しいです。

今日、大深沢川沿いの遊歩道で見つけたキジラミです。

ニガキです。図鑑にはすごく苦いと書いてありましたが、それほどではありませんでした。若い葉だったからか、私の舌がおかしいのか。

この木の葉にキジラミの幼虫が複数見つかりました。アメ状の分泌物を体にまとっています。葉裏にも葉表にもいました。

成虫です。あまりうまく撮影できませんでした。両方共オスっぽいですね。

触角の先端の2本の剛毛が長いのがヒメキジラミの特徴です。

顔を撮りたかったのですが、失敗しました。

新成虫は腹部が緑色なのと大きさから近似種と区別できるようです。

セグロヒメキジラミ(マルアゴヒメキジラミかもしれません)との比較図です。セグロヒメキジラミが翅端まで2mm、ニガキヒメキジラミは3mm。

クロヒメキジラミにも似ていそうですが、翅形が違うので区別できそうです。


成虫写真は「山陰地方のキジラミ図鑑」に載ってます。

ネットでは韓国のサイトにありました。

学名は現時点で変更ないみたいです。

元記載は 進士織平 (1944) 「虫癭と虫癭昆虫」です。国会図書館のデジタルコレクションで見れます。コマ番号236で448ページが見れます。
虫癭と虫癭昆虫
昭和19年、戦時中に出版されたのはスゴイですね。

引用させていただきました。白い部分です。

和名はナナカマドキジラミでホストはナナカマドになってます。体の色が黄色になってますね。

学名の変更は以下の文献で行われたようです。
Sasaki K. 1954 – A list of the known species and their host-plants of the Psyllidae of Japan (Homoptera). Scientific Report of Matsuyama Agricultural College 14: 29-39.

Psyl’listからPDFが見れます。

こちらも引用

ナナカマドはニガキと似ているので、どこかでホストの誤同定と判断されたと思うのですが、検索してもわかりませんでした。保留。

幼虫を採ってきたので、うまく羽化したら標本にしてみようかと思います。

あと、寄生されているっぽい幼虫も採ってきたのですが、なにか出たら報告します。
2017年6月7日: 寄生蜂でました。こちらを御覧ください。


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コメント

“ニガキヒメキジラミ Calophya shinjii Sasaki, 1954” への2件のフィードバック

  1. カイガラムシ屋のアバター
    カイガラムシ屋

    虫こぶ昆虫研究その他における進士織平の業績を軽く見るつもりはありませんが、彼はかなり問題のある分類学者だったので、彼の書いた論文は眉につばを塗って読まれてください。

  2. Hepota2のアバター
    Hepota2

    ありがとうございます。ezo-aphidさんもそのような話をされてました。
    昔の研究が不充分であるなら誰かが再記載すれば良いと思うのですが、再記載する研究者がいないとか、再記載されたけど文献が手繰れないというのはまずいような気がしています。コナジラミと同じような運命になりそうで。
    研究費が出ないというのが一番の問題なんでしょうが、どうにも難しそうですね。

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