先日見つけたニガキヒメキジラミですが、寄生されているっぽい幼虫がいたので採ってきたところ、やはり寄生蜂が羽化してきました。
2017年6月3日 ニガキヒメキジラミ Calophya shinjii Sasaki, 1954
詳しく調べるために、冷凍ジメして撮影しました。写真はクリックすると大きくなります。
腹部の拡大写真です。割れ目があって、針っぽいものがしまわれてますね。これが産卵管じゃないかと思います。
おちゃたてさんのブログに同じ仲間と思われる産卵シーンが載ってますが、やはり産卵管は腹部の基部よりから出ています。
2013年3月23日 カシトガリキジラミに産卵するヒメコバチ科の一種(?Tamarixia sp.)
さて、素人がコバチの名前を調べるのは不可能に近いのですが、今回はホストがわかっているので、ezo-aphidさんから教わった方法で調べてみましょう。
で、”Chalcidoid associates of named taxon”をクリックして、ホストから検索するページに移動します。
今回は、ヒメキジラミ属(Calophya)なので”Associate genus”の欄に”Calophya”を入力してSearchをクリックします。
結果としてPsyllaephagus属とTamarixia属が出てきます。
ネットで画像検索するとPsyllaephagusはまったく違うので、Tamarixia属っぽいというのがわかります。名前が出てきたT. triozaeとT. schinaを検索してみます。
Tamarixia triozaeはトマトやジャガイモにつくキジラミParatrioza cockerelliの生物農薬として使われているようです。以下のPDFに載ってました。脛節も黒いので今回見つけたのとは違うようです。
http://www.tomatoesnz.co.nz/assets/Uploads/Tamarixia-factsheet-FINAL.pdf
Tamarixia schinaは2011年に記載されたようです。元記載のPDFが以下のサイトからダウンロードできます。
Zuparko et al. (2011) Two new species of Tamarixia (Hymenoptera: Eulophidae) from Chile and Australia, established as biological control agents of invasive psyllids (Hemiptera: Calophyidae, Triozidae) in California. Zootaxa 2921: 13-27.
Zootaxa 2921: 1-64
背中の棘の配置はよく似ているのですが、やはり脛節が黒いので違うようです。
あとはTamarixiaで画像検索してみましたが、似たようなのは見つかりませんでした。Tamarixia属は52種ほど記録があるようなので、これ以上は無理っぽいです。
結局、よくわかりませんでしたが、多少なりとも知識が広がったようなきがするので…
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