長坂蛾庭

ブナヒラアブラムシ Platyaphis fagi Takahashi, 1957

富士山の外輪山の竜ヶ岳で見つけました。ブナの葉裏についていました。数は少なかったです。


■ ブナヒラアブラムシ Platyaphis fagi Takahashi, 1957

ホストと特徴的な形態からブナヒラアブラムシで間違いなさそうです。赤い点は子供の目と思われ、これでおそらく成虫だと思います。この薄い体から子供が産まれるところを見てみたいですね。数が少なかったのですが、アブラムシ入門図鑑には発生時期として8月中旬から9月中旬と書かれており、これから増えるのかもしれません。

竜ヶ岳にはイヌブナも多いのですが、イヌブナには付いていないようでした。

2025年2月8日追記。同じ日の別の場所で葉っぱについた状態を撮影していたので追加しておきます。

2025年2月8日追記

前年の2020年11月5日、ブナはすでに葉を落としていたので、落ち葉をめくって探していたところこいつを見つけました。死んでいるかと思ったのですが、いちおう参考までに追加しておきます。


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コメント

“ブナヒラアブラムシ Platyaphis fagi Takahashi, 1957” への26件のフィードバック

  1. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    この種は採集例が少ないようです。ブナは普通に出会えるのに、見つけにくいのか、発生場所に偏りがあるのか、見当がつきませんか?
    B&E *(2006)には、今のところ1属1種で所属亜科も曖昧とのこと。有翅雌や、雄・卵生雌について、それぞれの翅脈と体型を見たいものです。それと共通点のある種が見つかると良いのですが。   *Blackman & Eastop(2006)

  2. Hepota2のアバター
    Hepota2

    この場所はちょっと遠いし、北杜市周辺はブナが少ないのでほとんど観察できてません。入門図鑑には「秋に有性世代が現れ卵越冬」と書かれていますが、観察されたのでしょうか?

  3. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    筆者の松本さんは、栗山村には秋にも採集に行っているので、卵生雌を見ていたと推測します。無翅雌がこんなに扁平でも、有翅雌は意外に普通の形かも知れません。

    ブナは山梨でも山地へ行かないと無いのですね。「日本野生植物館」(奥田重俊ラ、1997)には笹子峠の写真がありました。
     ついでにズイナを見ると、奈良県十津川村の写真が。開けた沢や、二次林の林縁に多いとか。ヨメナと同様で、里山の山菜とされた名前のようです。

  4. Hepota2のアバター
    Hepota2

    先日、山梨県植物誌を図書館から借りてきたのですが、ブナは山梨県北部には少なく南部に多いと書かれてました。北杜市周辺の山にも生えてはいるのですが、高い尾根筋から山頂付近に少し見られる程度です。一度植林のために伐採されちゃったのかなぁと推測してます。

    入門図鑑の表現がすこしあいまいだったので疑ってしまいました。移住性だとすると近くに移住先の植物が無いとだめなのかなぁと思いましたが、移住しないとすると単に少ないだけなのか、あるいは環境の問題かですが…

    このアブラムシを見つけた場所は竜ヶ岳の北側の尾根で標高1,400mぐらい、おそらく人の手が加わっていない林、高木が存在せず明るく、このブナ自体も樹高は低く、おそらく風がものすごい強いのではないかと思います。このアブラムシ平たいし非移住性だと風に強いのではないかと思います。他のアブラムシは生息しづらく、それを狙う天敵も少ないと想像してみました。まったくのあて推量ですが。

    前年の2020年に落ち葉からこのアブラムシの死骸(?)を見ていたので、本文に追加しました。

    ズイナは10年近く前に吉野川上流の大迫ダムの方に探しに行ったことがあります。収穫はそれなりにあったのですが、目的のズイナは見つけられませんでした。杉が多くて。いつか時間を掛けてめぐってみたいと思いますが。

  5. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    検索してみたら、島根県と愛媛県でわずかの幼虫を採集してるようです。
    越夏型と表現してるのは若干疑問ですが(夏期間に休眠するという意味あいになると思うのです)。
     夏期に平たいアブラムシというのは、高温適応(=南方由来)の種なのかなぁ、と推測しています(?コナジラミも)。高木であっても、アブラムシのゴールはある程度低い位置にあるのは、風だまりの場なんだろうという解釈です。移住性アブラムシの2次寄主(夏寄主)はほとんどが草本だけなので、ブナから他樹種に行って越冬卵を産むことは無いと推測してます。
    「門前の小僧」の仮説!! なので、お聞き捨てください。
     
    近年、「Nippolachnus pyriがナシから他樹種に移住する」という報告を見て、とても困っているところ。生活史を調べることが重要ですね。

  6. Hepota2のアバター
    Hepota2

    とにかくもう少し情報を集めないとなんとも言えませんね。今年は難しいかなぁ。

    葉っぱに付いた状態の写真を撮っていたので本文に追加しておきました。

  7. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    有難うございます。無翅成虫になると葉に固着するのですね。幼虫期に歩行分散してコロニーを作らないため、アブラムシ屋は発見しづらかった(高橋さんはコナジラミも担当)のでしょう。「アブラムシ入門図鑑」の松本さんに伺ったところ、石川・富山・岐阜・長野・栃木・道南部の10か所で採集してます。とりあえず、多数のブナ葉の裏面を(コナジラミ屋の眼で)見れば、良さそうです。
    夏期の幼虫に「翅芽(=胸部の膨らみ)」があれば、有翅虫の羽化期は近いです。(ブナの落葉期が10月中旬頃なら)9月下旬-10月上旬ころに有性世代が現れると思います。   
    「見つけどり採集」は”しんどい”です。空振りの多い採集法は強要できません。コツはただひとつ「必ずここに存在する」と信ずること、だけなので。

  8. Hepota2のアバター
    Hepota2

    固着するかどうかは確認してません。

    確かにコロニーを作るものと思い込んでいると、ぽつんと一匹いるのは見つけづらいですよね。コナジラミだと普通なのですが。

    この時期(7月中旬)にコロニーを作ってないのはなんか変な気がします。1齢幼虫が歩き回って分散するとかでしょうか。

  9. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    すみません、想像を楽しんでます。固着と推測したのは、「指と葉裏の写真」で寄生部が凹んでいるのを見て、長い定着期間があったと想像したものです。枯葉の成虫死体は、口針が刺さったままと推測しました。 腹面から脚の形態を見て、歩く機能を持つ幼虫と比較できれば、何か判るかもしれません。
     
    カタカイガラムシでは、春に卵からふ化した1齢幼虫が、新葉へ移動して固着しますよね。ブナの当年枝から出ている葉に、幼虫が分散してゆくのかなぁ。   成虫の体内に見える幼虫数は5頭くらいと少なめ。普通のアブラムシとは違う生存戦略が見つかると面白いのですが。

  10. Hepota2のアバター
    Hepota2

    なるほど、少しへこんでいるように見えますね。いきなり越夏型幼虫みたいなのが出現して、しばらくやり過ごしてるんでしょうか。気になりますね。

  11. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    「入門図鑑」に無翅型幼虫が載っていました(胸部が淡色のせいか膨れて見えるので、有翅型幼虫かも。体周の白色綿状物は幼虫期にある?)。隣頁のブナハアブラムシの無翅型幼虫も、胸部がやや濃色で膨らんで見えます(これも有翅型幼虫かも、あるいは中間型か?)。

    イタヤカエデのPeriphyllusの越夏型は、平たい1齢幼虫で発育休止のはずです。Platyaphisでは平たい無翅成虫になるまで、どのような経過をたどるのか判りません。1齢幼虫が新葉まで歩行し、そこで固着したまま生育するのでしょう。

    「入門図鑑」には気になる表現もありました。「生息部位:河周辺のブナの新葉裏面に点在」「メモ:(点在するので)探すのは難しい」

  12. Hepota2のアバター
    Hepota2

    確かに入門図鑑には川の周辺にあるブナで見られると書いてありますね。ちゃんと見てませんでした。前にも書きましたが見つけたのは尾根筋です。何か共通点があるのでしょうかねぇ。

  13. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    まずい事例を書きました。イチイカタカイガラは針葉樹のTaxusに寄生します。雌の殻内でふ化した幼虫は、初夏に新しく伸長し始めた枝葉に移動して固着します。 ・・・・広葉樹は落葉するので、初夏の葉は全て新葉ですものね。

    無翅虫の腹面図を見つけました。宗林正人(1975)「森林防疫 24(12):2-7.」”樹木に寄生するアブラムシ(3)”  その解説文を抜粋します。( )はコメント。
     「無翅虫は、扁平で葉裏に密着して寄生する。頭部と前胸は癒着、中・後胸と腹部とは全く癒着している。触角は4節、口吻ははなはだ短い(コナジラミ程度か?)。角状管は小孔をなす。(前・中脚は明らかに短く、脛節は腿節とほぼ同長、後脚で1.5倍長。定着生活に不要な機能は退化したような?) 秋、両性雌(=卵生雌)と雄虫が現われ、卵態で越冬する。」
     
    宗林さんも有翅虫を見てないようです。無翅雌は生活も姿も、コナジラミ群に向かって進化中のように見えます。何がメリットなんですかねー。

  14. Hepota2のアバター
    Hepota2

    やはり固着生活者なんでしょうか。コナジラミ化のメリットですが、こんな感じではないかと思ってます。(1) 動くためには柔らかい部分がないとダメなはずですが、動けなくてよいならその欠陥をなくすことができて防御力を高めることができる。小型の捕食者からすると堅い。 (2) 扁平になることによって、食べるところが少なくて大型の捕食者からすると効率が悪い餌になる。 (3) また、まばらに生息することで効率が悪くなり、テントウムシ等の貪欲な捕食者からは避けられる。シロウトの妄想ですが。

    幹母や雄を拝んでみたいです。

  15. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    「妄想は、謎解きの楽しみ、新仮説の元」と、発展途上は強がっていたいです。 コナジラミの天敵がどうなってるのか、興味深いです。
    寄生性のコバチ上科では、Aphelinidae (Encarsia, Cales, Eretomocerus)、Eulophidae(Aleuroctonus, Euderomphale, Neopomphale)の6属が知られています。一方、捕食性のクサカゲロウ・テントウムシ・ハナアブの幼虫は、コナジラミを食べるのでしょうか? どれもアブラムシではコロニーを狙って付近に産卵する傾向があるので、点在して薄型のコナジラミは捕食効率が悪そうなので、少ないのでは?
    (散在型のアブラムシについて、その捕食者を調べたことは無いのですが)

  16. Hepota2のアバター
    Hepota2

    Encarsiaは良く出ます。他はまだ見てないように思います。

    あとAmitusも何回か見てます。
    https://blog.tamagaro.net/?p=5208
    https://blog.tamagaro.net/?p=6129

    冬虫夏草 Aschersonia も付くようで、それらしきものを見てはいますが、確認できてません。

    コナジラミに捕食性の昆虫が付いているのは見たことがありませんね。キジラミの幼虫が密集しているところには、テントウムシやヒラタアブの幼虫を普通に見ます。オンシツコナジラミみたいにどんどん増えるやつでも見られないということは、なにか別の要因があるのかもしれませんね。そういえばグンバイムシがワラワラいるところにテントウムシが来ているのも見たことがありません。なぜでしょうね🤔

  17. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    テントウムシ類がコナジラミを食べることはあるまいと思いつつ、佐々治(1998)「テントウムシの自然誌」を開いてみました。それには、奄美大島のミカントゲコナジラミを食べていたネアカヒメテントウを新属新種として発表(Kanmiya, 1963)したことが記載されてました。保育社図鑑では、体長1.7mm前後、Axinoscymnus beneficus H. Kanmiya、分布:琉球・台湾。

     日本産のSerangium属4種、Microserangium属2種もコナジラミ類を捕食するようです。体長は1.0-2.0mmくらいで、南方産が多い。Serangium属のうち2種は北海道まで分布し、クロツヤテントウ S. japonicum Chapinはコナジラミ類を捕食と解説されてます。いずれのテントウムシも小型なのは、捕食されるコナジラミでは食料資源として不充分なのでしょう。
    ヒメハナカメムシOriusも、オンシツコナジラミの天敵農薬とされています。やはり小型で、成虫・幼虫ともに活発に探索行動をするようです。

    もう少し大型のテントウムシは、アブラムシのコロニーを狙って産卵してるように思います。よく食害場面に遭遇するハナアブ・クサカゲロウ・アブラコバエなども、成虫の行動はコロニーを目指しているだろうと。たぶん、これらは餌不足にはとても弱いでしょう。テントウムシは共食いで凌ぐらしいです。

    文献では、もっと多くの捕食性天敵がいるのですが、ほとんどは現場で見た記憶がありません。見慣れないアブラムシ探しに意識が向いているためかも。

  18. Hepota2のアバター
    Hepota2

    コナジラミ食のテントウムシもいるのですね。

    ミカントゲコナジラミは進入害虫と考えられているようですが、そのような天敵がいるならば、元から分布していた可能性もありそうですね。いろいろな植物に付くようなので、柑橘に付くようになった系統が進入してきたのかもしれません。コナジラミの防除に役立つと面白そうですが。

    まばらにしか付かないコナジラミが多いのは、そういう天敵に対する防御になってるのかもしれませんね。

  19. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    Takahashi(1957)によると、本属はオニグルミのDasyaphis に近い、とのことです。それに対し、同時に報告されたTsugaphisに似てるじゃないか、という国外からの指摘があるという状況です。(・・・・そうは見えないですが)

     Higuchi(1972)の ”・・・・・Callipterinae in Japan” では、Dasyaphisが所属すべき属グループは無い、とされています。またPlatyaphisを扱わなかったので、両者のembryoの形態比較はありません。1齢幼虫の形態と脚の発達程度に興味津々です。固着型を選んだアブラムシの生態は不思議がいっぱいです。

    コナジラミ成虫の場合、脚の分化・発達を中途でやめたように見えますね。
    雌の産卵法は、集団発生型(オンシツコナジラミなど)と点在固着型(一般に見られる)の種によって違うのでしょうか? 

     

  20. Hepota2のアバター
    Hepota2

    コナジラミの産卵法については良くわかってません。種ごとに決まっていると信じたいのですが。

    サカキコナジラミは集団発生型のようです。
    https://blog.tamagaro.net/?p=1711
    円状に産卵するのは口吻を挿したまま回りながら産卵してるのだろうと思います。うーん、ヒラタアブの幼虫が来てますね。
    不思議なのはフィールドで見るサカキにはものすごく稀にしかコナジラミがついてません。環境の問題なのかとも思いますが、よくわかりません。

  21. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    Keys to the insects of the European USSR vol.1 の英文版(1967) 「原本は1964年」の608-616p.を見ました。 (コナジラミ科はDantsigの担当)。

     222図にオンシツコナジラミ1齢幼虫の腹面図があり、(当然ですが)立派な触角と脚がありました。ふ化幼虫はoval, flat, activeで、数時間ほど這いまわり、吸汁することで定着する、とのこと。産卵のしかたは、in circle, in clusters, or singlyとさまざま。The species in the USSR and their biology are little known という解説文は・・・・、なんて正直なコメント。

    沿海州のコナジラミ(Danzig,1988)では、Aleyrodes proletella L. は卵を環状に、Aleyrodes lonicerae Walkerは卵を不規則に散らして産むとあります。その他の16種ほどにはコメントなしです( their biology are little known !!)。

    サカキコナジラミの産卵は、お見事ですね。オンシツコナジラミでも見たような記憶があります。ヒラタアブふ化幼虫の頭部がぼんやり黒いのは、黒変した卵を食べた内容物と思います。ふ化直後はキチン質の口器しか黒くないので。
    となると、ハナアブ成虫がコロニーがあると目星をつけて産卵した、ってことでしょう。ハナアブ幼虫は、コナジラミ中齢以降の幼虫も食べるのかなぁ。

  22. Hepota2のアバター
    Hepota2

    ハナアブの幼虫が来てる印象はありませんね。観察が不十分なせいもあるかもしれません。試すことはできそうなので一度やってみますか。

  23. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    Platyaphis属がどの亜科に所属するのか、日本動物大百科・8(平凡社、1996)で宮崎さんの解説を参照しました。
    Tsugaphisは、Hormaphidinaeヒラタアブラムシ科の特徴「無翅虫の眼は眼瘤のみ(=複眼が無い)、頭部と胸部の境界は不明瞭、脚のふ節先端刺毛は棍棒状、角状管は欠如または環状。」にほぼ合致します。一方、Platyaphisは「発達した複眼があり、頭部・前胸が接合するが中・後胸とは分離、ふ節先端の刺毛は平たく、角状管は小環口である」という点、ブナ科食性も考慮してマダラアブラムシ科Drepanosiphinaeに所属、が有力と思います。(有翅虫など他のモルフも比較しておくべきですが)

     同じページに、宮武頼夫さんのコナジラミ科の解説がありました。30年前の認識の要点を拾ってみます。「日本国内で27属65種(世界では130属1200種)。北方で少なく(北海道で2種のみ)、南西部で種類が多い。寄生は、樹木の葉に多く、草本には少ない。特定の植物に寄生するコナジラミもいるが、数種から多種の植物を選ぶ傾向が強い。暖地では年に3回発生する種が多く、5・7・9月に成虫が見られ、幼虫で越冬する。羽化した成虫は新葉に集まり、交尾・産卵する。」

     こんな解説ではどうかなぁ:「観察では、灌木や草本に多く、高木には少ない印象。寄主植物が属内の数種という例もあるが、むしろ属や科を越えて寄生する方が多い。年1・2回の発生が普通で、多化性の種は少ない(2化性には寄主転換が疑われる種がいるらしい)。葉に集中産卵して大コロニーを作る種は農業場面で見られるが、野生植物では点在、あるいは散在していることが多い。それゆえか、後者では天敵を見かけない。排泄した甘露は、弾き飛ばしている。未授精卵は雄、受精卵は雌となるが、単為生殖をする種もいるらしい。」  地域によって違っている可能性はありますね。
     

     

  24. Hepota2のアバター
    Hepota2

    コナジラミの概説はそんな感じではないかと思いますが、良くわかりません。

    疎に分布する種は北方系に多いような気がします。そのため見つけにくいかもしれません。密集しているイメージを持っているとなおさらですね。こちらの標高1,000m以上でもいろいろ見つかるので、北海道にももっと分布しているような気がします。

    天敵については、寄生バチは疎に生息するコナジラミにもけっこうついている印象です。

  25. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    コナジラミ分布の前線地帯で、生態を知ろうとしても無理がありますよね。中核地帯の様子が判らなけりゃ、どういう状態が標準なのか・・・・。

     東南アジアが起源と言われるヒラタアブラムシ亜科Hormaphidinaeについて、日本とJavaの属・種数を拾ってみました。(国内は2016年の昆虫目録、JavaはNoordam,1991です) 日本全体で32属51種(北海道は6属7種)、Javaでは18属55種、両国の共通は12属でした。温帯域では属レベルの分化が進んでいるようで、植物相の多様性、越冬期の休眠などが変化の要因と思います。その一方、中核地帯と似た環境のJavaでは、属数よりも種レベルの分化の方が多い(つまり、より小さなレベルの分化)とみました。
     ヒラタアブラムシ亜科に兵隊アブラムシがいると判ったのは、今から50年ほど前(「兵隊を持ったアブラムシ」青木重幸、1984)ですが、Ceratoglyphina  styracicola (Takahashi,1921)の攻撃性は、その50年以上前(1930年)に高橋さんが台湾から報告しています。これはずっと省みられることなく、青木さんの兵隊発見から、調査と確認が始まったものです。

    つまり、昆虫の名前があって、人間の生活にかかわる種類が優先的に生態調査の対象になる、ということ。それ以外の生態的特性や、特定群の採集法とか、進化の道筋の仮説など、学問的な要求は後回しになってしまうのでしょう。
     有用樹木に直接的な被害を及ぼさない昆虫群(ヒラタアブラムシ亜科、コナジラミ科の大多数)では生態情報が少ないのは、やむを得ないのかもしれません。なにか特異的な情報がきっかけになると良いのですが。

     

  26. Hepota2のアバター
    Hepota2

    生態の調査は現状ボランティアを増やしてやるしかないのでしょうか。幸いインターネットの普及により一般人が専門家からアドバイスをいただけたり情報を得られたりと良くなっている面もあると思います。私も多少は貢献できているようです。できれば多少なりともお金になると専念できるのですが。

コメント内に挿入してもらっていた『takoyaki』は不要になりました。

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