長坂蛾庭

2022年5月21日

ベニウラジロノキキジラミ Cacopsylla peninsularis (Kwon, 1983)

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 22:36

5月3日、ウラジロノキでキジラミの幼虫を見つけました。葉にぽつぽつと分散して付いています。ゴールは作らないようです。

5月15日、再訪してみたところちょうど成虫が羽化した直後だったようです。数匹採集してきまして、少し成熟させてから撮影しました。


■ ベニウラジロノキキジラミ Cacopsylla peninsularis (Kwon, 1983)

日本でウラジロノキから記録のあるキジラミは3種で、2種は翅に色がつくため、これはベニウラジロノキキジラミのようです。

形態はベニキジラミに似るらしいのですが、触角先端の2本の毛で識別できるようです。短い方が長い方の1/2より長ければベニウラジロノキキジラミ、短ければベニキジラミ。

学名は、日本昆虫目録では Cacopsylla sorbicoccinea Inoue, 2004 となっていますが、Psyl’listによれば、2017年に C. peninsularis にシノニマイズされたようです。

※ Psyl’listは現在アクセスできなくなってます。

2022年5月3日

ヤマトヨダンハムシ

カテゴリー: 1.自然観察, コウチュウ目, — Hepota2 @ 20:00

先日アオナシ(かヤマナシ)の木に見慣れない甲虫が付いているのを見つけました。

最初でっかいテントウムシ(?)と思ったのですが、よく見るとハムシっぽいです。そこでハムシハンドブックで調べてみたところヤマトヨダンハムシというのが見つかりました。ホストはアオナシかヤマナシとあるのでビンゴみたいです。

分布は長野、山梨、群馬となっており、これはアオナシの分布とほぼ同じなので、もともとアオナシをホストとしていたのかもしれません。ヤマナシにもつくのか、あるいは記録した人がアオナシをヤマナシと間違えたのかは気になるところです。

アオナシかヤマナシかは実を見ればわかるようなので、実が生る頃にもう一度この場所を訪れるつもりです。

2021年7月19日

ブナヒラアブラムシ Platyaphis fagi Takahashi, 1957

カテゴリー: 1.自然観察, アブラムシ, カメムシ目, — Hepota2 @ 19:00

富士山の外輪山の竜ヶ岳で見つけました。ブナの葉裏についていました。数は少なかったです。


■ ブナヒラアブラムシ Platyaphis fagi Takahashi, 1957

ホストと特徴的な形態からブナヒラアブラムシで間違いなさそうです。赤い点は子供の目と思われ、これでおそらく成虫だと思います。この薄い体から子供が産まれるところを見てみたいですね。数が少なかったのですが、アブラムシ入門図鑑には発生時期として8月中旬から9月中旬と書かれており、これから増えるのかもしれません。

竜ヶ岳にはイヌブナも多いのですが、イヌブナには付いていないようでした。

2021年6月26日

シナノナシキジラミ Cacopsylla maculatili Li, 2011

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 19:00

6月26日、山梨県、不明樹木にて、見たことのないキジラミを見つけました。交尾している成虫やいろいろなステージの幼虫もいます。

樹木の方はこんなのです。

ツイッターに投稿したところ、擬燈蛾(@Epitrioza)さまより、シナノナシキジラミと教えていただきました。アオナシにつくということです。ありがとうございます。

学名で検索すると、写真が記載された文献がみつかりました。特徴的な斑紋とホストからシナノナシキジラミでほぼ間違いなさそうです。

ホストの方は、アオナシの可能性はありそうですが、もう少し調べた方が良さそうなので、果実ができたころに訪れて確認してみたいと思います。アオナシにしか付かないとすると、アオナシの分布はかなり限られており、本種の分布も限られていそうです。

7月8日、持ち帰った幼虫が羽化しており、そして交尾していました。

■シナノナシキジラミ新成虫 Cacopsylla maculatili Li, 2011

年1化の場合交尾は産卵前に行われると思うので(要確認)、こいつは年2化なのではないかと思います。黒い大きな斑紋は、前翅後縁の紋と、腹部の背面の紋が合わさったもののようです。

【参考文献】
・ Cho, G et al. (2017) Systematics of the east Palaearctic pear psyllids (Hemiptera: Psylloidea) with particular focus on the Japanese and Korean fauna. Zootaxa, 4362, 75-98. PDF
・ 井上広光 (2018) 風変わりなキジラミ. 昆蟲.ニューシリーズ, 21(3), 202-204.
PDF
Psyl’list

2021年6月22日

アワブキのアブラムシ Mollitrichosiphum?

カテゴリー: 1.自然観察, アブラムシ, カメムシ目, — Hepota2 @ 19:00

アワブキにいたアブラムシ。長い角状管を振り回してました。

aphidsonworldsplants.info で調べると、アワブキには Mollitrichosiphum nigrumM. yamabiwae (ヤマビワケクダアブラムシ)が付くようです。

専門家の方にサンプルを送る予定なので、何かわかったら追記したいと思います。

2021年6月17日

?ハンノキキジラミ Psylla ?alni (Linnaeus, 1758)

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 19:00

6月15日、ヤマハンノキの木の股のところで、キジラミの幼虫を見つけました。お尻から綿のようなワックスを出していて、ウワミズザクラキジラミの幼虫みたいです。

6月17日、少し採集してきた幼虫が羽化しました。

■ ?ハンノキキジラミ Psylla ?alni (Linnaeus, 1758)

ヤマハンノキにつくキジラミで日本で記録があるのはハンノキキジラミだけのようなのですが、イギリスのサイトの情報を見ると、前縁の翅脈が緑色らしいです。うーん、どうでしょう? まだ未成熟だからかもしれませんが、少し怪しいのでタイトルは?付きにしておきました。

参考
Psyl’list
British Bugs

2021年6月15日

カンボクのキジラミ

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 20:00

これまでガマズミ属のいくつかの種の花柄でキジラミを見つけていたのでカンボクでも探していたところ、
5月25日に幼虫がいるのを見つけました。

6月7日、幼虫はだいぶ大きくなっていました。花柄だけでなく枝の股のところにもいました。

6月15日、成虫が出現し始めていました。

種名はまだわかっていません。なにかわかったら追記したいと思います。

2021年6月12日

ガマズミのキジラミ

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 20:00

5月23日、ヤブデマリとコバノガマズミの花柄でキジラミが発生しているのを見つけていたので、ガマズミでも探していたところ、標高1,000m付近のガマズミで卵を見つけました。

6月5日、幼虫が出現していました。

6月12日、新成虫が出現していました。花がちょうど咲き始めていました。

絵解き検索ではガマズミ類につくキジラミとしてガマズミキジラミが載っており前翅は黄白色~乳白色となっているのですが、井上広光先生から伺った話によるとそのような翅の色になるのはオオカメノキにつく種だということです。
難しい種類のような気がするので、井上先生にサンプルを送ってみてもらおうかと思っています。結果がわかりましたら追記したいと思います。

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