KOH処理容器は以前に紹介したものを使っていますが問題は無さそうです。
その後の処理で使う皿ですが、いくらかましなものができましたので報告します。
こんなの。

コナジラミの標本作製の作業皿は、以下のような条件を満たしているものが良いと思います。
・お皿の部分はガラス製(4/16追記)
・大きさは直径20mmぐらいがよさそう
・あまり深くなくて、なだらかに窪んでいるのがよい
・透明
・フタ付き
・安価
透明な方が良いのは、黒いコナジラミの場合下に白い板を置き、白いコナジラミの場合に下に黒い板を置くことによってコントラストをあげて見やすくできるからです(4/16追記)。
もしポリプロピレン製でかなり深いもので良ければ丸底ドラム 10mLというのもあります(4/16追記)。
たぶん売ってないと思いますが、もし売っていたとしてもかなり高価なものになりそうです。
ということで、いつものように自作します。
用意するもの
(1) UG軟膏容器12ml 馬野化学容器株式会社
(2) 30mm時計皿
道具として、ホットナイフ、ホットボンド、フライパン。
この容器の内径が31mmほどあって30mmの時計皿がぴったり収まります。
作り方
(1) 容器の底をホットナイフで丸く切り取ります。
(2) 容器の内側上部にホットボンドを盛ります。
(3) 容器に時計皿を乗っけて、温めたフライパンの上に逆さまに置き、ホットボンドが溶けて時計皿が容器に沈むまで押し込みます。容器が溶けないように注意すること。

欠点としては、傾けるとフタに検体がくっついていらいらすることがあります。
ま、作業皿に関してはこれで十分かな。
コナジラミ標本作製に使うKOH処理容器ですが、良さそうなものを見つけたので報告します。

東急ハンズで扱っている、丸底ドラムという商品です。
丸底ドラム 3ml
丸底ドラム 5ml
ポリプロピレン製と書かれていますが、フタの裏にパッキンがはめてあって、そこはポリエチレンかもしれません。でも70°Cでの使用では問題なさそうでした。
底は丸く、壁に段差はまったくありません。化粧用のクリーム等を入れる目的のものだと思います。
コナジラミは平たくて、壁にくっつくと取れなくてイライラすることがありましたが、これは広口で底が丸いので、そういった問題は解消されそうです。実体顕微鏡から覗けますし、自立しますし。
大きさは3mlの方が良いと思うのですが、現在ネット在庫は切れているようです。
にゃんぱすー!
みんなでやるのん。

コナジラミの標本の作り方をまとめていますが道は険しいです。
試行錯誤につきあっていただける方募集してます。
【履歴】
2013-11-19: 作成。
2013-11-22: 少し手直し。
2013-12-3: 中途半端ですがいったんUPします。 KOH容器、時計皿あたりを少し修正しました。 ビデオがあるとわかりやすいのでボチボチ入れていきたいと思いますが、 とりあえず剥離と脱ロウのビデオを入れておきました。
コナジラミを簡易検鏡するのにアルコールで封入しそのまま放置しておいたらアルコールが抜けて、
カナダバルサムで封入したものよりはるかに見やすいことに気づきました。


これまで亜縁部の刺毛は対物40倍でさんざん悩んでよくわからないことが多かったのですが、空気で封入したものは対物20倍でくっきりと見えました(左側の写真)。右側は対物40倍で、表面の微細構造が見えます。
当然と言えば当然なんでしょうが…
今まで気づかなかったとは。
呼び方がありそうなので、いろいろ検索していたら(ガス封入とか、気体封入とか)、空気封入というので数件ひっかかりました。
ドライマウントの方が一般的みたいです。英語では dry mount 。
今後ややこしそうなコナジラミの場合は、空気封入したものドライマウントも作っておこうと思います。
カバーガラスの周囲はマニュキュアでシールすると良いらしいですが、とりあえず木工ボンドでいいかぁ。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
本年も無計画に突き進む予定(?)であります。
薬品類が揃ったので、プレパラートの作成をやってみました。
検体は、ナツツバキのAleurolobus(たぶん)です。→ズイナクロコナジラミでした。
方法は、おおむねこの前書いたのと同じような感じです。
ただし、KOHに浸けるとき少し温めました。室温でもやりましたが、気温が低いのか(15-20度ぐらい)、ぜんぜんだめな感じでした。ホットプレートは持ってませんので、保温調理器を使い、お湯を入れたタッパーを一緒に入れておきました。お湯は2〜3回取り替えました。小さな温度計が無かったので、温度は測ってませんが、高いときで40-50度ぐらいかと思います。時間は18時間ぐらいだと思います。
KOH処理の後、水洗しました。
de-waxというのはやってません。あの厚いワックスは、KOH処理後に軽くつつくと、ボロボロ取れました。
漂白は、オキシドールと10%アンモニア水少しで大丈夫そうでした。これも少し温めました。時間は1時間ぐらいだったと思います。
漂白の後も水洗しました。
脱水はエタノールで行いました。100%エタノールは、無水硫酸銅を使う方法です。
とりあえず、マウントしたばっかりですが、一枚貼っておきます。


撮影は、結局おちゃたてむしさんのアドバイス通り、35mmマクロでのコリメート法です。
対物は20倍で、9枚貼り合わせてます。貼り合わせは、キャノンのカメラに付属していたフォトスティッチを使いました。最初4枚でやってみたら、うまく繋がりませんでした。
左右側は緑色の成分からモノクロにしてみました。
大きさは、約1.15×0.77mmです。
さて、何か進展するでしょうか…
—2012年12月22日追記—
顕微鏡はヤフオクで落としました。外観は奇麗だったんですが、光学系がものすごいカビていて、あるていど掃除できたんですが…。
コナジラミのプレパラート標本の検鏡はドシロウトにできるものなんでしょうか…
情報求ム
顕微鏡
写真撮影がメインになりそうなのでプランが欲しいですが、3眼のプランだと13諭吉ほどで、ムリ。
3眼アクロマートだと5諭吉ほど。アクロマートは視野の65%ぐらいまで使えるような情報があったのですが、視野の大きさがよくわかりませんでした。視野数24の接眼レンズがあるので24mmとすると、24 x 0.65 = 15.6mmということでしょうかね? そうすると直焦点で撮る場合、フォーサーズ機はCCDサイズが17.3 x 13mmなので、少しトリミングするだけですみそうです。
それはそうと、どこかに使われなくなった顕微鏡は落ちてませんかね。ランプがつかないのは直せるような気がします。プランの対物だけでもいいです。
永久プレパラート
とりあえず、このページとかこのPDFを参考にしてみました。
KOHの入手は、メーカーの代理店がホームページに載っていたので、そこまで行けば大丈夫そうな気がします。遠いですけど。キシレンは、その辺の薬局で売ってそうな気がします。カナダバルサム、クローブオイル、他の小道具はだいたいネットで買えそうです。
追記クローブオイルはオイゲノールでいいのかな?
漂白剤ですが、過酸化水素水とアンモニアの混合液を使うように書かれてましたが、あまり劇薬を家に置いておきたくないのですが、台所で使うような酸素系の漂白剤とかでも良いのでしょうか?
追記ダメっぽいですね。オキシドールと10%アンモニア水じゃだめかな?
染色には何を使うのがよいのでしょう?
追記 塩基性フクシンで良いのでしょうか?4000円/25gですか…。メチレンブルーとかでもいいかな?
2012-11-30追記:酸性フクシンの方かもしれません。8000円/25gですかぁ。
とりあえず、ビクセンの染色液キットを試してみます。
こっちの方が安いな。
よろしくお願いします。
ー2012年12月1日追記ー
手順はこんな感じでしょうか? うーむ。
1: 内容物を溶かす。
検体を10%KOHに一晩浸ける。
80度に温めると5-10分ほどで済むらしいが、やめておこう。
アブラムシの場合に行う切開は不要。
2:de-wax 脱パラフィン?
フェノールは危険すぎる…。
キシレンでなんとかできないのかな。
3:漂白
黒い検体の場合は漂白する。黒くない場合は4へ。
漂白には過酸化水素6とアンモニア1の混合物を使う。
家庭用の漂白剤を使ってはいけない。
濃度が書かれていないが、
漂白には活性酸素が重要だとすると、薄くても問題ないような気がする。
とりあえずオキシドール(3%過酸化水素水)と10%アンモニア水を適当に混ぜてやってみる…。
染色は不要なので5へ。
4:染色
もし検体が白い場合は染色する。不要な場合は5へ。
染色液は95%エタノールに酸性フクシンを溶かしたもの?
2分?
5:洗浄
95%エタノールに浸ける。数分?
6:脱水
100%エタノールに浸ける。数分?
7:クローブオイルに浸ける
10分以上、検体が透明になるまで。
8:封入
カナダバルサムで封入する。
カナダバルサムが硬い場合はキシレンで薄める。
9:ラベルを貼る。