以前見たミツバウツギのハバチは、ツマグロハバチの可能性が高いことがわかりました。詳細はリンク先を御覧ください。
2020年7月26日
2019年5月21日
コマユバチ科サムライコマユバチ亜科Diolcogaster属の一種
ご無沙汰しております。
写真は撮っているのですが、とりあえずツイッターに載せてそこで力尽きるという状況になってます。
ツイッターの情報はいつ消えるかわからないので、できるだけこちらにも載せようと思っているのですが…
5月5日、庭のモモにコマユバチの繭がついているのを発見しました。
ホストと思われるシャクガ科の幼虫はまだ生きていました。例のゾンビ化して操られるという状況じゃないかと思います。
5月13日、ほとんど羽化して脱出しているのを見つけました。この2日前までは変化がなかったので、一気に羽化したようです。
まだ少し残っていそうだったので、繭を採集してケースに入れておいたところ、何匹か羽化してきました。成虫の写真です。
あまり詳しく調べる気はなかったのですが、翅脈だけは見ておきました。
似たような繭を作るタテハサムライコマユバチというのをネットで見つけたのですが翅脈はかなり違うようなので別属っぽいです。
これらの写真をツイッターに投稿したところ、コマユバチを研究されている藤江隼平様( http://himebati.jimdo.com/)より、サンプルを提供してほしいという要望をいただきましたので、お送りしたところ以下のようなコメントをいただきました(転載許可を得ています)。ありがとうございます。
お送りいただいたサムライコマユバチは検鏡の結果、Diolcogaster属の一種と考えられます。
本属は日本から2年前に初めて記録されたばかりですが、相当数の日本未記録種、未記載種がいます。いただいた種は、これまでに記録された種とは異なっており、少なくとも日本未記録種、あるいは未記載種の可能性があります。
とりあえず今回はここまで。なにか進展がありましたら追記したいと思います。
2019年5月11日
ヤマコウバシの虫えいとタマバエの幼虫と寄生蜂
2018年10月3日
トゲアシハバチ
2018年1月23日
アブラムシのマミーに産卵していた寄生蜂
先日アオキコブアブラムシを見に行ったのですが、幼虫が少しと、マミーが割合多く見つかりました。
かなりしつこく観察していたところ、マミーに産卵しているハチを発見しました。
マミーに産卵していたということは2次寄生か高次の寄生蜂なのでしょう。
暖かかったせいなのかもしれませんが、真冬にこんな光景が見られるとは思いませんでした。
どうも寒くて家にこもりがちですが、もう少し出歩くようにしたいですね。
2017年6月18日
ウワミズザクラキジラミから出てきた寄生蜂
少し前になりますが、ウワミズザクラキジラミ Psylla morimotoi Miyatake, 1963を観察していたところマミー化した幼虫を複数確認しました。6月2日撮影。
6つほど採集して持ち帰っていたら、寄生蜂が2種類羽化してきました。
これはおそらくTamarixa属の♀かと思います。
おちゃたてむしさんのブログに出てくる種類と腹部の背面が不定形に単色なのが似ていますね。
2種目です。
こちらは1種目と同じだろうと思ってすぐに冷凍庫に放り込んだので生きているときの写真は撮りませんでした。3個体羽化してきましたが触角から判断してすべて♂のようです。
これらはPsyllaephagusの♂っぽいです。
あと2つのマミーは脱出前に冷凍庫に入れたので、取り出してみたところ♀のようでした。
こちらはおそらくPsyllaephagusの♀かと思います。青っぽい色をしていますが、羽化したあとしばらくすると緑になる可能性も考えられるので、色で判断しないほうが良さそうです。
これ以上のことはわかりそうにないので保留しておきますが、コナジラミもそうなのですが、キジラミもかなり普通に寄生されている印象を受けました。このあたりも日本ではほとんど研究されていないのでしょうね。
2017年6月8日
セモンジンガサハムシの卵寄生蜂 タマゴコバチ科 ?Trichogramma sp.
2週間ほど前、桜の葉をめくったところセモンジンガサハムシの卵に寄生蜂が止まっているのを発見しました。撮影するためカメラに持ち替えたのですが、逃げられてしまいました。
その後気になったので持ち帰っておいたところ、ハチが出ているを見つけて調べていたのですが、脱出痕はなく、別のハチが混じっていたようです。調べるときに卵の殻を破ってしまいました。すると中に、ハチの蛹っぽいものがいっぱい。
そして2日ほど前に寄生蜂が出ているのを発見しました。小さい上に動き回っていたのでピントを合わせられませんでしたが、生きている写真はこれしかないので載せておきます。
少し調べてみましたが、まったく手がかりがなく、よくわかりませんでした。
タマゴクロバチでしょうか?
情報お待ちしています。
2017年6月9日追記
ツイッターでkenさんから、後脚の附節が3節なのはタマゴコバチ科という情報をいただき調べていたところ、高木氏のタマゴコバチ科の検索表を見つけたので、チャレンジしてみました。コナジラミよりかなり簡単な手順でスライド標本を作りました。ちょっとKOHに漬けすぎたかもしれません。マウントをもっと丁寧に行うべきでした。オスの触角がよくわからない状態になってしまいました。
メスの触角のアップです。およびメスの前翅のアップです。棍棒状節は1節、繋節は2節です。環状節の英語は北隆館の大図鑑では”ring joint”となってましたが、検索してもみつからず、”anellus”になっていたのそのようにしました。
Rs1はインドのサイトを参考にしました。
高木氏の寄生蜂の見分け方に従って調べます。
タマゴコバチ(属までの検索)
体は扁平ではない
前翅は基部から広がる
触角は梗節、柄節を除いて3節以上
※4節以上の間違いと判断しました。
※環状節を含んで4節と考えました。
触角の棍棒状部は5節以下
前縁脈は翅の前縁に達する
前翅の表面にはまばらに刺毛があり、列をなす
触角の棍棒状部は1節
繋節は明瞭に分かれている
前縁脈はスム−スに枝脈に移行する 明らかな翅毛列がある
前翅には翅毛列Rs1がある
ということでTrichogramma属に落ちましたが…
九大の目録検索で調べると、日本では6種ほど記録がありました。
ズイムシアカタマゴバチ T. japonicum Ashmead, 1904
アゲハタマゴバチ T. papilionis Nagarkatti, 1974 (*)
ヨトウタマゴバチ T. evanescens Westwood, 1833 (*)
ズイムシキイロタマゴバチ T. chilonis Ishii, 1941
キイロタマゴバチ T. dendrolimi Matsumura, 1926 (*)
メアカタマゴバチ T. australicum Girault, 1912
(*)の学名はNHMのサイトに合わせました。
主に鱗翅目の卵に寄生するようですが、NHMのコバチデーターベースで調べると、カメノコハムシ属でも記録があるようです。
画像検索すると似たようなのが見つかりますし、おそらくTrichogrammaということにしておこうと思います。
疲れた。
2017年6月7日
ニガキヒメキジラミの寄生蜂 ヒメコバチ科 ?Tamarixia sp.
先日見つけたニガキヒメキジラミですが、寄生されているっぽい幼虫がいたので採ってきたところ、やはり寄生蜂が羽化してきました。
2017年6月3日 ニガキヒメキジラミ Calophya shinjii Sasaki, 1954
詳しく調べるために、冷凍ジメして撮影しました。写真はクリックすると大きくなります。
腹部の拡大写真です。割れ目があって、針っぽいものがしまわれてますね。これが産卵管じゃないかと思います。
おちゃたてさんのブログに同じ仲間と思われる産卵シーンが載ってますが、やはり産卵管は腹部の基部よりから出ています。
2013年3月23日 カシトガリキジラミに産卵するヒメコバチ科の一種(?Tamarixia sp.)
さて、素人がコバチの名前を調べるのは不可能に近いのですが、今回はホストがわかっているので、ezo-aphidさんから教わった方法で調べてみましょう。
で、”Chalcidoid associates of named taxon”をクリックして、ホストから検索するページに移動します。
今回は、ヒメキジラミ属(Calophya)なので”Associate genus”の欄に”Calophya”を入力してSearchをクリックします。
結果としてPsyllaephagus属とTamarixia属が出てきます。
ネットで画像検索するとPsyllaephagusはまったく違うので、Tamarixia属っぽいというのがわかります。名前が出てきたT. triozaeとT. schinaを検索してみます。
Tamarixia triozaeはトマトやジャガイモにつくキジラミParatrioza cockerelliの生物農薬として使われているようです。以下のPDFに載ってました。脛節も黒いので今回見つけたのとは違うようです。
http://www.tomatoesnz.co.nz/assets/Uploads/Tamarixia-factsheet-FINAL.pdf
Tamarixia schinaは2011年に記載されたようです。元記載のPDFが以下のサイトからダウンロードできます。
Zuparko et al. (2011) Two new species of Tamarixia (Hymenoptera: Eulophidae) from Chile and Australia, established as biological control agents of invasive psyllids (Hemiptera: Calophyidae, Triozidae) in California. Zootaxa 2921: 13-27.
Zootaxa 2921: 1-64
背中の棘の配置はよく似ているのですが、やはり脛節が黒いので違うようです。
あとはTamarixiaで画像検索してみましたが、似たようなのは見つかりませんでした。Tamarixia属は52種ほど記録があるようなので、これ以上は無理っぽいです。
結局、よくわかりませんでしたが、多少なりとも知識が広がったようなきがするので…