長坂蛾庭

マテバシイケクダアブラムシ? Eutrichosiphum heterotrichum?

昨日、近所の神社で撮影しました。角状管が長いので、少し前に見たオカジマケブカアブラムシ?の同定に役立つかと思って撮ってみたんですが、難しいということがわかりました。少し調べたところ、ケクダアブラムシ亜科の中で、マテバシイに付くのは、クワナケクダアブラムシとマテバシイケクダアブラムシだけのようです。最近購入した日本原色アブラムシ図鑑には、クワナケクダアブラムシ(和名はクワナケブカアブラムシとなっている)は載っていますが、マテバシイの方は載ってません。アブラムシ入門図鑑には両方載っているので、違いがわかるかもしれませんが、とりあえずアップします。

有翅成虫です。いろいろな部位を撮ろうとしましたが…。

無翅成虫です。

マテバシイの新しい枝の茎に付いてました。

マテバシイケクダアブラムシについては、以下の文献に情報が載っています。少しだけ見てみましたが、やはり難しいですね。
Morphological Variation of Eutrichosiphum heterotrichum (Raychaudhuri)(Homoptera : Aphididae : Greenideinae) Newly Recorded from Japan, with Description of its Hitherto Unknown Morphs

—2011年5月20日—
図書館に行ってアブラムシ入門図鑑を見てきました。尾片を見ると識別できそうなので、写真を撮ってきました。これで良いのかな?

—2011年5月21日—
ezo-aphidさんから教えていただきまして、追加画像では尾片がどれだかはっきりしないようです。それから、Eutrichosiphum属は難しいようなので、タイトルは現状のまま?付きにしておきます。詳しくはコメントを参照してください。

—2011年5月22日—
裏撮ってきましたが、特に模様はありませんでした。別種なのか、透過処理しないとわからないのか…


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コメント

“マテバシイケクダアブラムシ? Eutrichosiphum heterotrichum?” への6件のフィードバック

  1. Hepotaのアバター

    写真追加しました。尾片を撮影したつもりなんですが、引っ込んでます?

  2. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    尾片はふつう最後端に突出してるので、無翅成虫の1枚目の写真で、すでに見えています(尾片中央先端に突起は見えませんね)。ここで産子中の写真では、子虫の直上にあるのはたぶん臀板で、わずかにみえるのが尾片だろうと思います。したがって、これはGreenidea属ではないと言えます。このことは、Aphids on the Worlds’ trees のHost listsから、Quercusを選び、その検索表KEY C – Greenideinae on oaks の2に示されています。
     検索表の判別点を見ると微細な形質が多く、顕微鏡なしでEutrichosiphum属の確定を行うのは、どうにも難しそうです。したがって、画像・寄主・寄生部位などから言えることは、既往の知見から一番可能性の高い種を絞ることで、その記載文や図と照らし合わせて矛盾がなければほぼ確定、ということになります。ただし、知見の集積が少ないものや、多種が寄生する植物では、絞り込みを間違える可能性があります。
     スダジイで産子中の胎生雌の尾片は、子虫の直上のもので、その前の小板は第8背板と思います。背中から腹側に向かって、「第8背板、尾片、(肛門)、臀板、(産口)、生殖板」という順になります。これらが条件により見え隠れするため、判別しにくいのでしょうね。

  3. Hepotaのアバター

    ezo-aphidさん、ご教示ありがとうございます。尾片はやはり勘違いしていたようです。産み始めの方が見やすいのかもしれませんね。とても難しそうなことはわかりました。図鑑で見る範囲ではマテバシイの可能性は高そうだと思われるので、タイトルは現状のまま?付きにしておきますね。

    ezo-aphidさんが示されている、APHIDS ON THE WORLD’S TREESのサイトをリンクしておきます。
    http://www.aphidsonworldsplants.info/w_HOSTS_Q.htm#C

  4. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    その検索表を読むには、略号と部分名称、測定法を知ることが必要になります(下記)。ますます面倒なのですが、これが100年以上かけて作り上げられたアブラムシの形態分類の方法です。
    http://www.aphidsonworldsplants.info/AWT%20II%20Intro.htm
     これでお判りの通り、アブラムシの判別には、体の色彩やワックスの状態などは使われてきませんでした。これらの文章記述は難しいので、写真による概観が、同定の一助となる可能性があると思ってます。

  5. Hepotaのアバター

    ezo-aphidさん、補足ありがとうございます。実は、わけのわからない記号だらけで、すぐに見るのをやめてしまいました。確かにこれは標本を作って顕微鏡で見ないと無理ですね。
    写真もどれくらいの変異があるかわからないでしょうから、沢山撮って正確に同定しないといけないので、データーを揃えるのは大変な作業になるかもしれませんね。
    それから、本文で示したSugimoto,2001に、無翅成虫の裏には模様があるようなことが書いてあるので、明日にでも調べてみようかと思います。こういうのはカラー写真にしてほしいですよね。

  6. Taxonomistのアバター
    Taxonomist

    I can fully determine this species as well as make a professional microscopic slide for any further research. If someone will be interested you can contact me.

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