長坂蛾庭

クサカゲロウの繭に寄生していたヒメバチ科の一種 Dichrogaster liostylus

そらさんのブログのコメントでクサカゲロウの繭からクシヅメクロバチ科という珍しい寄生蜂が出てくることが書かれていました。そういわれると気になるので、いつもなら無視していたであろうクサカゲロウの繭をお持ち帰りしておりまして、昨日寄生蜂が出てきました。『しめしめ』などと思っていたのですが、どうもヒメバチのようです…。ヒメバチとクサカゲロウで検索すると、小西先生の日本産ヒメバチ目録のDichrogasterがひっかかりました。いくつか標本写真があって、その中ではD. liostylusが似ていますが、小楯板の色が違うようです。

■クサカゲロウの繭に寄生していた蜂 Dichrogaster liostylus

ついていたときの状況は撮影していなかったので、下の写真は寄生蜂が羽化した後です。繭が2つならんでいて、左側は採集したときにすでに羽化した後でした。正常に羽化すると、どういう仕組みなのだかわかりませんが、このようにきれいにふたが開くようです。もう一方は少し黒ずんでいて怪しい気がしました。

寄生蜂が出た穴です。

寄生されたクサカゲロウの方は、成虫の顔が出来上がってました。なんかコワイ。

—2011年6月17日—
日本のDichrogaster属の検索表を作られた芳田先生から、Dichrogaster liostylusで良いというコメントをいただきましたので、タイトルを確定しました。小楯板の色は変異があるらしいです。
今日のそらさんのブログに同じ種類と思われるものがアップされましたので、リンクしておきます。


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コメント

“クサカゲロウの繭に寄生していたヒメバチ科の一種 Dichrogaster liostylus” への9件のフィードバック

  1. そらのアバター

    こんばんは、
    クシヅメクロバチ科の話の後、私も持ち帰って出てきたのと同じでした。
    まだ羽化してない繭があるので観察中ですが、クサカゲロウよりも寄生バチの方がたくさん羽化してきそうです。

  2. Hepotaのアバター

    そらさん、こんばんは。そちらも同じのが出ましたか。いきなりレアアイテムを拾ったかと思ったんですが、甘かったようです。寄主自体がレアだとか、生息環境が限られているとか、そういうことかもしれませんね。

  3. よしだのアバター
    よしだ

    ezo-aphidさん(ですよね?)から教えてもらいのぞいてみました。Dichrogaster liostylusです。小楯板の色は全体が黒いものから、黄色いものまで変異があります。

  4. Hepotaのアバター

    よしださん、ご教示ありがとうございます。ezo-aphidさん、とりつぎありがとうございます。さっそく、タイトルの方を修正しておきますね。

  5. ezo-aphidのアバター
    ezo-aphid

    私にも相違点が目立って見えたものですから、日本のDichrogaster属の検索表を作られた芳田さん(文献末尾、2008年の連名著者)のご意見を伺いにいってきました。この属では、本州で最も普通にみられる種のようです。

  6. Hepotaのアバター

    ezo-aphidさん、こんばんは。おかげさまで名前が判明して気持ちよいです。ありがとうございました。
    よしださんて偉い先生だったんですね。本文を訂正しておきました。

  7. よしだのアバター
    よしだ

    こんにちは。ごあいさつおくれました。トガリヒメバチの仲間を研究をしている芳田です。まだ学生で、偉くもないんです。
    ちなみに、そらさんのブログに出てくるほうも同じ種でした。産卵管が見えますからメスですね。

  8. Hepotaのアバター

    芳田さん、こんばんは。いえいえ、私からすると偉い先生には変わりありませんので。今後のご活躍を期待しています。そらさんの方にはこちらから連絡しておきますね。お忙しいところ、ありがとうございました。

  9. そらのアバター

    こんばんは、
    連絡、ありがとうございました。
    芳田先生、ありがとうございました。
    現在、オスが出てこないか待っているところです(^^)。

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