長坂蛾庭

2018年6月15日

ムツボシキジラミ Cyamophila hexastigma (Horváth, 1899)

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 01:00

5月の半ばにイヌエンジュの葉でキジラミの幼虫を見つけました。
それから観察を続けて成虫を見ることができたのでまとめます。

5月15日、葉っぱの上で見つけました。よく見るキジラミの幼虫とは違って、よく動きます。

5月24日、いろんな場所にいました。

6月5日に見に行くとほとんど羽化して分散した後でした。わずかにテネラルと幼虫が残っていたので、採集してきました。

下の成虫はしばらく経過した6月14日に撮影しました。

■ ムツボシキジラミ Cyamophila hexastigma (Horváth, 1899)

イヌエンジュにはムツボシキジラミがつくのですが、どうやらそれでよさそうですね。

2018年6月1日

ヒメグミキジラミ Cacopsylla elaeagnicola (Miyatake, 1963)

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 23:40

ヤマオオトガリキジラミのいたアキグミで小さなキジラミの成虫が複数発生しているのを見つけました。
幼虫がいたのでしょうがヤマオオトガリキジラミの大きな幼虫に気を取られていて気づかなかったようです。


■ ヒメグミキジラミ Cacopsylla elaeagnicola (Miyatake, 1963)

脱皮殻は見つかりました。

グミ類につくキジラミ科は4種ほど日本から記録されているようですが、大きさが小さく触角が短いのでヒメグミキジラミで良さそうです。

関連記事
ヤマオオトガリキジラミ
グミキジラミ

2018年5月25日

ミズキクロスジキジラミ Cacopsylla swidae Inoue, 2004

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 00:20

先日ミズキの葉で見つけました。
以前から探していたのですが、今回はじめて見つけることが出来ました。密度が低いのかもしれません。まだ羽化して時間が経っていないようなので色が薄いかもしれません。


■ ミズキクロスジキジラミ Cacopsylla swidae Inoue, 2004

まだ幼虫も複数見られれました。

本種は以前クロスジキジラミ C. melanoneura と考えられていましたが、別種と判断されて2004年に新種記載されたようです。

和名はおそらく翅脈が黒いところから名付けられたのだと思います。

参考文献:
[1] Inoue H. 2004 – Descriptions of two new species of the genus Cacopsylla (Hemiptera: Psyllidae) in Japan. Esakia 44: 143-152 [144]. PDF

[2] Psyl’list

2018年5月22日

ハコネキジラミ Cacopsylla hakonensis (Kuwayama, 1908)

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 15:33

今年の3月からハコネキジラミの観察をしてきましたのでまとめます。
途中の幼虫はあまり撮影しませんでした。

3月17日、葉が展開しはじめたアケビに集まっていた越冬成虫と、卵です。

4月28日、アケビの葉の上でワックスを出す幼虫です。近所のいろいろな場所でたくさん見られました。

5月10日、終齢幼虫でしょうか。

同日、成虫が出ていました。両方とも♀で、斑紋は変異があるようです。左側の個体の頭に乗っている赤いのはダニです。

■ ハコネキジラミ Cacopsylla hakonensis (Kuwayama, 1908)

学名はInoue2010で、Psylla属からCacopsylla属に移動されているようです。

文献についてはPsyl’listからどうぞ。

2018年5月19日

クロウメモドキトガリキジラミ Trichochermes grandis Loginova, 1965

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 01:23

4月の終わりに、クロウメモドキのゴール内にキジラミの幼虫を見つけました。
以降継続して観察して成虫が出たので以下にまとめます。

4月28日、不明な樹木を発見しました。調べてみるとクロウメモドキのようです。

葉の縁を折りたたんだようなゴールがあります。

中を覗いていみるとキジラミの幼虫がいました。

5月4日: あんまり変わってませんでした。黄色っぽい方です。緑色のは別種です。

5月10日: 外を歩いていた幼虫です。スジボソヤマキチョウの幼虫がかなりないきおいで葉を食べていたので、追い出されたのかもしれません。

5月17日: 成虫が出てましたので成虫とゴールのついた枝を持ち帰って中を調べていたところ、中にいた幼虫が歩き出し、その後少し眼を離したすきに羽化を開始してました。

5月18日: これは採ってきた成虫の方で1日以上経過した状態です。

■ クロウメモドキトガリキジラミ Trichochermes grandis Loginova, 1965

日本から記録されているクロウメモドキにつくトガリキジラミは、クロウメモドキトガリキジラミだけで特徴もあうので、その可能性が高いと思います。ただ、かなり珍しい種のようであまり調べられていない気がします。厳密には詳しく調べたほうが良いのでしょうね。
とりあえず。

Miyatake1971には斑紋にかなり変異があるように書かれているのでご注意ください。今のところ(3個体)全面が茶色いパターンのみ発生してます。

― 参考文献 ―
Miyatake Y. 1971 – Notes on Psyllidae from Sado Island, Niigata Prefecture (Hemiptera : Homoptera).
. Bulletin of the Osaka Museum of Natural History 24: 5-14. PDF

Psyl’list

2018年5月18日

ヤマオオトガリキジラミ Epitrioza marginata Miyatake, 1978

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 01:22

少し前にアキグミと思われる樹の葉っぱの裏に初見のキジラミの幼虫を見つけました。以後継続して観察し種名がほぼ判明しました。

4月19日、まだ小さな幼虫を発見。

4月24日、少し大きくなってました。

花の付き方からアキグミではないかと思います。星状毛があるのですが、アキグミでも品種によっては星状毛のものもあるような…。

5月4日

5月15日、終齢です。かなり大きいです。なんかこの周辺の葉っぱに集まってついてました。

5月16日、終齢幼虫です。

5月17日、羽化して1日経過した成虫です。

■ ヤマオオトガリキジラミ Epitrioza marginata Miyatake, 1978

ツイッターに投稿して、専門家のYMiyaさまに見ていただいたので、ヤマオオトガリキジラミにほぼ間違いなさそうです。

日本で記録されているオオトガリキジラミ属3種はどれもアキグミ等につくのですが、幼虫の形や葉の付き方が違うので、簡易的には以下のようにして判別できるようです。オオトガリキジラミ: 幼虫はゴールを作る。サトオオトガリキジラミ: ゴールは作らない、葉の上につく。ヤマオオトガリキジラミ:ゴールは作らない、葉の裏につく。ただし未記載種もいるようなので注意したほうが良さそうです。

成虫での区別方法は前翅Rs脈が翅端から離れて終わり、前翅後縁に茶色い帯があることで他の2種と区別できるようです。

山陰地方のキジラミ図鑑にある学名と大きさが間違っているのでご注意ください。
学名の著者名Kuwayama→Miyatake、大きさ約4mm→約6mm。

― 参考文献 ―
Miyatake Y. 1978 – Notes on the genus Epitrioza of Japan, with descriptions of two new species (Homoptera: Psyllidae). Bulletin of the Osaka Museum of Natural History 31: 93-111. PDF

2018年5月14日

ヒゲクロキジラミ Cacopsylla nigriantennata (Kuwayama, 1908)

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 15:42

先日、ネジキの幼木と思われる木から見つけたキジラミです。

葉っぱです。4月29日撮影。

新成虫と思われる個体と産卵中の個体です。

■ ヒゲクロキジラミ Cacopsylla nigriantennata (Kuwayama, 1908)

ツイッターにアップしたところ、専門家と思われるYMiyaさんからヒゲクロキジラミと教えていただきました。

年一化ということなので、たまたま遅くまで産卵している個体が残っていたようです。
山陰地方のキジラミ図鑑によれば、越冬成虫の複眼が黒いと書かれてます。

後日、もう一度見に行って、複数の新成虫が羽化しているのを確認しました。

5月1日撮影。

幼虫は見つかりませんでしたが、葉柄の根本に葉が袋のようになっている部分があって、底に若齢幼虫の脱皮殻がいくつか見つかりました。

文献が見たい方は以下のサイトを参照してください。元記載のPDFが見れますがドイツ語のようです。
 Psyl’list

2017年10月30日

本州で見られるヒメキジラミ属4種について

カテゴリー: 1.自然観察, カメムシ目, キジラミ, — Hepota2 @ 16:15

ヒメキジラミはカメムシ目(Hemiptera)キジラミ上科(Psylloidea)ヒメキジラミ科(Calophyidae)に属する昆虫の総称です。日本で記録のあるヒメキジラミは1属5種です。そのうち本州で記録のある4種の写真がすべて揃ったのでまとめてみました。

なお私はキジラミに関してシロウトで文献の一部を拾い読みしながらこの記事を書いておりますので、間違いもあるかもしれません。確かな情報は専門家によって書かれた文献をご覧になってください。

一般的な注意ですが
・ 以下で全長という用語は翅端までの長さです。キジラミの成虫は標本にして乾燥すると腹部が縮むので、体長ではなく全長が使われるようです。
・ キジラミの♂は♀より小さいようです。腹部先端が後ろに伸びていれば♀、背面側に曲がっていればオスです。
・ キジラミの多くが成虫越冬で秋が深まるにつれて体色が濃くなっていきます。
・ キジラミの成虫は羽化後しばらくするとホストを離れて分散するので、ホスト以外で見つかることもふつうにあります。

ヒメキジラミの特徴

翅脈はキジラミ科と似ていて、触角の先端の2本の剛毛が長いようです。

日本で記録のあるヒメキジラミ科

マンゴーキジラミ Calophya mangiferae マンゴー Mangifera indica 琉球、東南アジア
クロヒメキジラミ
(キハダヒメキジラミ)
C. nigra キハダ Phellodendron amurense 北海道、本州
セグロヒメキジラミ C. nigridorsalis ハゼノキ・ウルシ類 Toxicodendron spp. 北海道〜琉球、台湾
ニガキヒメキジラミ C. shinjii ニガキ Picrasma quassioides 北海道〜九州、韓国
マルアゴヒメキジラミ C. verticornis ヌルデ Rhus javanica 本州、四国、韓国

このうち、マンゴーキジラミを除く4種が本州で見られます。偶然と思われますが4種のホストはどれも羽状複葉で似た雰囲気の葉っぱです。

簡易検索

色だけを使った検索表を示します。厳密な同定には文献を御覧ください。

1a 腹部が黄色から暗褐色 -> 2
1b 腹部が緑 -> 3
2a 触角全体が黄色、前翅は透明 ……… セグロヒメキジラミ
2b 触角の先端が黒、前翅はやや黄色い ……… マルアゴヒメキジラミ
3a 触角の先端が黒、成熟個体の頭胸部は茶褐色 ……… ニガキヒメキジラミ
3b 触角の先端半分くらいが黒っぽい、成熟個体の頭胸部は黒 ……… クロヒメキジラミ

セグロヒメキジラミ Calophya nigridorsalis Kuwayama, 1908

体色は黄色から暗褐色。触角全体が黄色。前翅は透明。額錐は横に広がる。全長は2mm前後。幼虫のホストはハゼノキ、ウルシ類。

北杜市ではウルシ、ヤマウルシはかなり普通に見られますが、幼虫は局所的に集団で発生しているようでした。なので幼虫を見つけるのは難しいです。成虫は4種の中ではもっとも多く見られます。


セグロヒメキジラミ ♀ 



セグロヒメキジラミ 1. テネラル♀。2.成熟♂。3.成熟♀ お腹が大きいのは卵が詰まっているのだと思います。4.越冬後♀。


セグロヒメキジラミ 1.額錐は横に広がる。2.幼虫。

マルアゴヒメキジラミ Calophya verticornis Kwon, 1983

体色は黄色から暗褐色。触角の先端2節が黒。前翅は透明で薄い斑紋がある。額錐がほとんどない。全長は2mm前後。幼虫のホストはヌルデ(ウルシ科)。

北杜市ではヌルデはウルシと同じくらい普通に生えていますが、いまだ一個体しか見ていません。来年もう少し観察してみたいと思います。


マルアゴヒメキジラミ♀ 斜め下から見た写真になったので翅形や翅脈はわかりにくくなってます。


下を向いているようで額錐がないのかどうかよくわからない。

ニガキヒメキジラミ Calophya shinjii Sasaki, 1954

頭胸部は赤褐色で腹部が緑色。触角の9,10節(先端2節)が黒。前翅は透明。額錐は下に伸びる。4種の中では最も大きく全長は約3mm。幼虫のホストはニガキ(ニガキ科)。

北杜市ではニガキは多くはないもののポツポツ点在して生えており、本種の幼虫も複数の場所で確認しました。集団で発生している場合と疎に発生している場合があるようで、寄生蜂の存在が影響しているのかもしれません。寄生蜂についてはこちらを御覧ください。


ニガキヒメキジラミ♀


ニガキヒメキジラミ 1. ♂ 2.テネラル


ニガキヒメキジラミ 1.額錐は下に伸びる 2.幼虫 甘露に包まれているのを多く見た。ちなみにこの甘露はものすごく苦い。

クロヒメキジラミ Calophya nigra Kuwayama, 1908

頭胸部が黒で腹部は緑色。触角の9,10節が黒で3〜8節は茶褐色。前翅は透明。額錐は下に伸びる。全長約2.5mm。幼虫のホストはキハダ(ミカン科)。

キハダの同定ができてないので、いまのところ植物園でしか見つけていません。秋にも幼虫を見たので多化性かと思います。


クロヒメキジラミ テネラル 頭胸部はこれから黒くなるものと思われます。


クロヒメキジラミ 1.顔 2.幼虫

参考文献

■Miyatake, Y (1992) A revision of the genus Calophya from Japan (Homoptera: Psylloidea, Psyllidae). Bulletin of the Osaka Museum of Natural History 46: 11-23. PDFダウンロード
■宮武頼夫・松本浩一・井上広光(2014)キジラミ類(カメムシ目)の絵解き検索.環境アセスメント動物調査手法, 24: 15-59.
■林 成多・宮武頼夫(2012)山陰地方のキジラミ図鑑.ホシザキグリーン財団研究報告特別号, (6): 1-97.
■Psyl’list > セグロヒメキジラミ
■Psyl’list > マルアゴヒメキジラミ
■Psyl’list > ニガキヒメキジラミ
■Psyl’list > クロヒメキジラミ

古い投稿 »

Powered by WordPress